エステバン・グティエレス(ザウバー)がようやく「保守的な」走りから脱した。
ザウバーが2014年からロシアの新星セルゲイ・シロトキンを起用することが明らかとなり、そのチームメートとして調子の上がらないグティエレスを雇い続ける意味はないのではとの意見がF1パドックの大勢を占めていた。
今シーズンからF1に参戦しこれまで苦戦続きであったグティエレスであるが、前戦F1シンガポールGP(9月22日決勝)予選では初のQ3進出を果たし、F1韓国GP(6日決勝)では予選8番手につけるなど、シーズン中盤にピレリが投入したスチールベルトタイヤはザウバーのマシンと非常にマッチしているようである。
しかしグティエレス自身にも大きな変化があったようで、スペイン紙『Marca(マルカ)』に対してグティエレスは次のように語った。
「シンガポールでも言ったように、特に重要な局面に向かい合ったとき、自分にはそれができるってことが一度でも分かったら、それは劇的な変化になる」
「プレッシャーはとんでもなく大きかったよ。チームだけでなく、僕にもね」
「何があなたを変えたのですか? たった1シーズンでF1から退くという危機感からですか?」との質問に対しては、「週末全体を通してのアプローチかな」と返答し、以下のように続けた。
「これまでの僕はとても保守的だった。僕はルーキーだし、まあまあなところから少しずつ築き上げることができれば十分だと思っていた」
「危険を冒さず、ミスしないよう心掛けた。でもそうするとスピードが出ないんだ」
「自動的に保守的になってしまうある種のポイントがあったのかもしれない」
F1に対する新たな姿勢を獲得したグティエレスであるが、これに至るまでには相当な苦難を乗り越える必要があったという。
「重圧や困難に直面し、解決策が見つからない状況で、何とかしてそれを変えることができたら、それは大きな力となる」
「それは間違いなく自分を強くしてくれる」とグティエレスは力強く締めくくった。