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波紋が止まらないベッテルの言動

2013年10月07日(月)13:14 pm

セバスチャン・ベッテル(レッドブル)へのブーイング、そしてベッテルの発言がいまもF1パドックで話題にされている。

表彰台のベッテルにブーイングを浴びせ続ける観衆の心理を測りかねるF1関係者。レッドブルの連戦連勝について語る際、レッドブルの努力を持ち上げるあまり、他チームの仕事ぶりを「プールで遊んでる」と表現するベッテルの無神経ぶり。

「いったい彼はどうしちゃったんだろうね」とドイツ『Abendzeitung(アベンドツァイトゥング)』紙に語るのは、F1やスポーツカーで活躍した往年の名ドライバー、ハンス・ヨアヒム・シュトゥックだ。

「自分の発言にはもっと気をつけたほうがいい。とくに同じF1の仲間についてはね」

ベッテルと同じドイツ人のニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は、とりわけ「プール」発言に批判的だ。ロズベルグは、ベッテルへの口撃についてドイツ『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』紙に次のように話す。

「あれはちゃんと意図して言ったことだ」

「ベッテルの発言は僕ら全員に浴びせられた侮辱だよ。もちろん僕のクルーにもね。あんないい方は間違っている」

「彼をつかまえて“最悪だよ、セバスチャン”と直にいってやってもいい。でも、あれを聞いたのは僕だけじゃない。多くの人たちが耳にした、そのことが問題なんだ」とロズベルグはいう。

レッドブル側は、当然ながらチャンピオンに同情的だ。

アドバイザーのヘルムート・マルコは『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』紙にこう話す。「彼はただ、いつも最後までパドックに残って仕事をしているのは我々だといいたかっただけだ。だいたい、そんなことは一目りょう然だよ」

さらに、ベッテルのライバルたちの中にもロズベルグほど批判的でない人物もいる。

エイドリアン・スーティル(フォース・インディア)は、次のように語る。「彼らが僕らより一生懸命働いているかどうかはさておき、仕事ぶりが僕らより優れているのは確かだね」

それでもマクラーレンのジェンソン・バトンは、ベッテルの態度を問題視する。

「先頭を走り、レースに勝ち、タイトルを取ると、考え方が変わってしまうんだ。問題はそこだよ。でも、何ごとにも終わりは付きものさ」

ロズベルグの僚友ルイス・ハミルトンは、レッドブルとベッテルの独走状態について次のように語り、議論をさらにややこしいものにする。

「おそらく彼らのほうがモノも人も金も豊富にあるんだろう」

「もしかしたら、許された以上の時間を使って働いているのかもしれない。そう思わない?」と話すハミルトン。F1には、チーム間の協定で活動資金等に一定の制限がある。レッドブルはそれを破っているといいたげだ。

マルコはこれに反撃する。「ハミルトンこそ、何人の人間が自分のエンジンを囲んでいるかよく確かめるがいい」

元F1世界王者のアラン・プロストは、キャリアを通じてコツコツ積み重ねたF1タイトル記録(4回)に、26歳の若者がもうすぐ肩を並べると考えて憂うつにならないのだろうか。

「現在と過去を一緒にしないでもらいたいね」と、プロストはスペイン『El Pais(パイス)』に次のように話す。

「今の時代、いいマシンといいチームがあれば勝つのが当たり前だよ」

最後に、不人気対策をベッテルに伝授するのはフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)だ。

「僕が世界王者だったころも、ファンからブーイングを受けたよ」とアロンソ。

「勝ちに恵まれなくなったら、急に人気が出たけどさ。でも僕なら愛されるより勝つほうを選びたいね」

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