F1第13戦シンガポールGP決勝のチェッカーが振られたあとに起こったウェバーの“タクシー乗車”について、ウェバーは自身のツイッターで警告処分を受けたことに怒りを示した。また、ウェバーを乗せたアロンソも、ウェバーのツイッターによる批判に加わっている。
アロンソは、アメリカ映画「TAXI NY」のポスターをアロンソとウェバーがタクシーに乗っているように加工し、「ハリウッド行きの準備は整った?」との文章を添えた画像を掲載している。
シンガポールGPにおいてF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の競技委員を務めていたデレク・ワーウィックは、アロンソが見通しの悪いコーナーで、クルマを走行ライン上に停めたことにより、スローダウンラップを行っていたほかのドライバーたちがアロンソとウェバーをよけるために急ハンドルを切らなくてはならない状況だったことあげ、そのペナルティーの正当性を主張した。
だが、かつてレッドブルにおいてウェバーのチームメートであったデビッド・クルサードは『BBC』のコラムに次のように書いた。
「ウェバーとアロンソが誰を危険な目にあわせたんだい?」
「実際には、彼ら自身だよ。そして、毎レース彼らが自分のレースカーに自分を縛り付けるが、それはいつも危険と隣り合わせなんだ」
マクラーレンのジェンソン・バトンもそれに同意見のようだ。バトンもツイッターに次のようにつぶやいている。
「ウェバーとアロンソにペナルティーが下されたのはがっかりだよ。スポーツマンシップによる行為は本当に罰せられるべきではないね」
報道においても、そのペナルティーに関して非常に否定的な見方をしているものがある。『Autosprint(オートスプリント)』のアルベルト・サバティーニは次のように書いた。
「コンクリートの壁の間を2時間にわたって命がけの危険を冒してきたドライバーたちを責めるのは度量が小さいし、偽善的でもある」
「まるで彼らを、自分たちが何をしているか分からない子供のように扱っている」
さらに、サバティーニは次のように主張した。
「実際に映像を見た限りにおいては、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は(アロンソとウェバーのわきを通ったときには)わずか時速60kmしか出していなかったよ。プロのドライバーたちにとって、反応し、ブレーキを踏むには、笑ってしまうほど(遅いスピード)だ」