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F1第13戦シンガポールGPレースレポート

2013年09月23日(月)0:02 am

2013年F1第13戦シンガポールGPが9月22日(土)、マリーナ・ベイ・ストリート・サーキット(1周/5.065km)で3日目を迎え、現地時間20時(日本時間21時)から行われた決勝でレッドブルのセバスチャン・ベッテルが3戦連続で今季通算7回目の優勝を果たした。

【結果】F1シンガポールGP決勝、優勝者のタイム、2位以下はギャップ、周回数、ピット回数

F1唯一のナイトレースとして開催されるシンガポールGPも今年で6回目を迎える。シーズンにおいて最多となる23のコーナーを持つ市街地コースは高温多湿という厳しいコンディションもあり、ドライバーやクルマにとっては1年でももっとも過酷なレースとなる。さらに、過去5回のレースではいずれもセーフティカーが導入されるなど、波乱に富んだレース展開となる可能性も高い。

予選Q3では最後にニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)にコンマ1秒差にまで詰め寄られたものの、スピードと安定度という観点からは、ポールポジションからスタートするセバスチャン・ベッテル(レッドブル)の優位性は動きそうになさそうだ。最前列はそのベッテルと2番手ロズベルグ、2列目に3番手ロマン・グロージャン(ロータス)とマーク・ウェバー(レッドブル)、3列目にはルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)とフェリペ・マッサ(フェラーリ)が並び、ベッテルを53ポイント差で追うフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)はその後ろ4列目から7番手スタートとなる。

決勝レース開始時の天候は晴れ。気温29℃。路面温度は32℃。レッドシグナルが消え61周の戦いが始まった。ロズベルグが一瞬ベッテルに並びかけるもベッテルが押さえこみトップの座をキープ。アロンソは一気に3番手までジャンプアップだ。

1周目を終え、トップ10はベッテル、ロズベルグ、アロンソ、ウェバー、グロージャン、マッサ、ハミルトン、ジェンソン・バトン(マクラーレン)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)、セルジオ・ペレス(マクラーレン)。ベッテルは2周目にほかのドライバーよりも3秒ほど速い1分52秒台を出し、早々と2番手とのギャップを開いてゆく。

ここで使用されるドライタイヤはスーパーソフト(赤)とミディアム(白)。フリー走行を見た限りでは2つのタイヤのタイム差がかなり大きいいため、スーパーソフトをうまく生かせるような戦略が必要となりそうだ。ピレリは2ストップ作戦が主流となると見ているようだが、セーフティカー導入の可能性もにらみつつ、各チームがレースでどのようなタイヤ戦略を展開してくるかも見どころとなる。

11周目に背中に痛みを抱えるキミ・ライコネン(ロータス)が最初にピットイン。スーパーソフトを装着してコースへと戻る。その後13周目あたりからピットインするクルマが増えてきた。14周目にはウェバー、15周目にはアロンソ、16周目にはロズベルグ、グロージャン、ハミルトンが同時にピットイン。全員ミディアムだ。

18周目にベッテルがピットインしミディアムにスイッチ。まだ1度もピットに入っていないのは現在3番手をゆくポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)だけだ。ディ・レスタはスーパーソフトで走行を続け、21周目まで引っ張ってピットに入った。

レースがほぼ3分の1を終えた20周の時点でトップのベッテルとロズベルグの差は約9秒。アロンソはそこから約8秒後方にいる。13番手からスタートしたライコネンは鎮痛剤を打っての走行ながら9番手にまで順位を上げてきている。

25周目。来季レッドブルへの昇格が決まっているダニエル・リカルド(トロロッソ)がターン18でクラッシュ。今年もここでセーフティカーが導入された。このタイミングで各車が続々とピットに戻ってくる。一方、ベッテル、ロズベルグ、ウェバー、ハミルトンはコースにとどまることを選択。これがどちらに吉と出るか凶とでるか、今後の展開が見ものだ。

31周目にリスタート。この時点でのトップ10は、ベッテル、ロズベルグ、ウェバー、ハミルトンに続いて、2度目のピットを済ませたアロンソ、グロージャン、ディ・レスタ、マッサ、バトン、ライコネンと続いている。トップ4台とディ・レスタはまだ1ストップだ。またこの段階ではディ・レスタとマッサのみがスーパーソフトを装着している。

ベッテルは唯一1分51秒台を刻みながら再び後続との差を開いてゆく。1周でロズベルグに3秒の差をつけ、まさに異次元の速さだ。40周目。ベッテルとロズベルグの差は20秒に開いた。フロントウイングにタイヤかすが付着しペースが上がらないロズベルを先頭にクルマが隊列を組んで走る形となっている。

41周目。ロズベルグの後ろにつかえていたウェバーが先手を打ってピットイン。ピット戦略でロズベルグを抜くのが狙いだ。ロズベルグもこれに呼応して次の周にピットに戻るものの、ウェバーに先行を許してしまう。

44周目にハミルトンがピットイン。いよいよ最後のピットストップ勝負が展開されてきた。45周目にはトップのベッテルもピットに戻り、新品スーパーソフトを装着。この段階で2番手に順位を上げたアロンソの前で余裕のコース復帰だ。

47周目。ベッテルはファステストを刻みながら余裕でアロンソとの差を開いてゆく。この時点で3番手にバトン、4番手ライコネン、5番手ペレスと続いている。ピットタイミングから3ストップかと思われたドライバーたちもこのまま最後まで走りきる戦略をとる可能性も出てきた。こうなると現在8番手のウェバー、ロズベルグ、ハミルトンはコース上で前のクルマをかわしてゆくしかない。

56周目。ディ・レスタがターン18で曲がりきれずにクラッシュし、クルマを止めてしまう。だが、レース終盤ということや、ランオフエリアでのクラッシュということもあってか部分イエローのままでセーフティカーの出動はない。

残り3周となったところで4番手を走っていたウェバーのペースが大きく落ちこんだ。またもギアボックスのトラブルが発生したようだ。ロズベルグとハミルトンに順位を明け渡すと、ついに最終ラップでクルマに炎があがり、無念のストップとなった。

結局、圧倒的な強さを見せつけたベッテルがベルギー以来3戦連続、今季7回目の優勝を飾った。アロンソも3戦連続で2位表彰台を獲得するも2人のポイントは60ポイント差に広がっている。痛み止めを打ちながら13番手からスタートしたライコネンがタイヤ戦略を生かして3位表彰台を達成した。

以下、4位ロズベルグ、5位ハミルトン、6位マッサ、7位バトン、8位ペレス、9位ヒュルケンベルグ、10位エイドリアン・スーティル(フォース・インディア)までがポイントを獲得している。

【写真】F1シンガポールGP土曜日(全30枚)

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