先日、キミ・ライコネンがロータス離脱の原因は給料未払いだと公言し、F1関係者を驚かせた。このことについて質問されたロータスのチーム代表エリック・ブーリエは、エンストンの本社工場に務める従業員と部品サプライヤーを優先させたまでと、チームのキャッシュフローについて次のように弁解した。
「残念ながら、我々はいくつかのチームのように、資金が豊富ではないのでね」
ロータスの財政面に不安を抱いたのは、ライコネンだけではない。チームの鍵となるスタッフ流出が止まらないのがロータスの現状だ。
スイス『Blick(ブリック)』紙によると、20名に及ぶロータスの従業員が職を求めてフェラーリ、レッドブル、マクラーレンを含む上位チームの門をたたいたという。
同紙の記事によると、メカニックたちも何人か給与の支払いを待たされているとのことだ。それでもチームオーナーであるジェラルド・ロペスは、ロータスのチーム活動に支障はないと言い張る。
「チームが抱える負債はほとんどが私に対してのものだ。ロータスを解散に追い込む者がいるとすれば、それはこの私自身だよ」
「私がチームを追い詰めない限り、将来は保証されている」
ブーリエは20日(金)、ライコネンの代わりに「ペイドライバー」と契約して財源をうるおすことは考えていないと主張している。
ブーリエによれば、代わりとなるドライバーの筆頭候補はフェリペ・マッサ(フェラーリ)とニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)だ。思い切ってふたりとも契約する選択肢もあるとブーリエは言う。
しかし、今季限りでフェラーリ離脱が決まったマッサには、母国ブラジルの企業がスポンサーになる可能性が高い。また、ヒュルケンベルグにも、個人スポンサーがついており、資金を持って交渉している可能性は否定できない。
もしロータスがマッサとヒュルケンベルグと契約した場合、ロマン・グロージャン(ロータス)はチームからはじき出される。
ブーリエはブラジル『Totalrace(トタルレース)』に次のように語った。「申し訳ないが、私の立場ではあらゆる選択肢を検討せざるを得ない」
「しかし、ロマンは我々と契約を結んでいる。最近は速さでキミ(ライコネン)に引けをとらない。このままがんばれば、F1で明るい未来が待っている」