F1シンガポールGP開幕を控えた19日(木)に、大きなうわさが広まった。それは、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)とマクラーレンに関するものだ。
マクラーレンではまだ来季以降のドライバー体制を正式に発表していないが、それに時間がかかっている本当の理由は、フェラーリでの現状に不満を抱いているアロンソとの交渉が行われているからだといううわさがF1関係者の間でささやかれていた。
かつて2007年にマクラーレンに在籍していたアロンソだが、チームメートであったルイス・ハミルトンとの確執などにより、1年限りでチームを去ったという経緯がある。
そのアロンソを雇い入れたいと思うかと『Daily Mail(デイリー・メール)』に尋ねられたマクラーレンのチーム代表であるマーティン・ウィットマーシュは、「あぁ、できることならね」と答えた。
マクラーレンのドライバーのひとりであるジェンソン・バトンは、19日(木)にマクラーレンとの2014年の契約はすでに「終わっている」と語った。だが、チームが正式な発表を延期しているのは、現在セルジオ・ペレスが座っているほうのシートにうわさが集中することを避けるためではないかと考えられている。
しかし、バトンはこのアロンソの話題が、シンガポールにおいてマクラーレン内部にもまん延しているようなことはないと否定し、『Independent(インデペンデント)』紙に次のように語った。
「一言もそんな話はでていないよ。本当に本当さ」
「でも、(アロンソがチームメートになれば)すごく面白いことになると思うね」
ここ2日ほどの間に、マクラーレンが2014年シーズンだけではなく、2015年から始まるホンダとの新しい時代に向けてのドライバー体制について検討していることが明らかとなっていた。
「パートナーが変われば状況も変わるよ」とバトンもこれを認め、次のように続けた。
「資金調達を伴いながら行うこともあるだろうね。でも、僕はこのチームでの自分の将来に関してはまったく心配してはいないよ」
それは本当だろう。だが、恐らくはホンダがアロンソとバトンのラインアップのほうが好ましいと考えており、そのためには資金を投入する価値があると考えているのも真実だろう。
こうした動きの中には、アロンソに対する巨額の報酬支払いを可能とするために、アロンソの支援者であり、現在はフェラーリのスポンサーとなっているスペインのサンタンデール銀行にも再びマクラーレンのスポンサーとして復帰することを働きかけることも含んでいるのかもしれない。
スペインの『Marca(マルカ)』紙は、次のようなホンダの内部関係者の発言を掲載している。
「われわれは最初の1日目から勝てるドライバーが欲しいんだ」