F1が“ペイドライバー”時代に突入するなか、実力でレッドブルのシートを手にしたダニエル・リカルド(トロロッソ)をマーク・ウェバー(レッドブル)が賞賛している。
「ダニエルがふさわしい。それがもっとも重要なことだ」
2002年に不振にあえぐミナルディからデビューして以来、12年間F1で戦ってきたウェバーは、ことあるごとに“ペイドライバー”が増える現状を批判してきた。
「才能ではなく、支払い能力でシートを得るドライバーの存在が普通になってしまった」
「これがF1にとっていいことだとは思えない」
ブラジルの『Totalrace(トータルレース)』にそう話したウェバーは、ペイドライバー時代の新人たちのなかで唯一の例外はクルマの競争力の低さをものともせず実力を発揮したジュール・ビアンキだと語った。ビアンキはフェラーリのドライバー育成プログラム下にあり、将来的にはフェラーリドライバーへの昇格を狙っている。
「遅いクルマに乗ってしまうと難しいんだ。僕はミナルディで同じ経験をしたよ」
「ビアンキはいい仕事をしたと思うし、いつかトップチームにふさわしいドライバーになるね」
F1で通算200戦以上に参戦し、2013年末でのF1引退を決めたウェバーは、ウィリアムズの新人バルデリ・ボッタスも有望だと話している。
ボッタスは、パストール・マルドナードと共に名門チームのステアリングを握っているが、そのマルドナードはウェバーに言わせると典型的な“ペイドライバー”だ。
「ボッタスはウィリアムズで苦労しているんじゃないだろうか」
「ボッタスがF1カナダGPの予選でいい結果を出したとき、彼はチームでひとりぼっちなんじゃないかと思ったんだ。パストールは経験があるが、ボッタスがパストールに何かを学んでいるとは、僕には思えない」とボッタスを心配するウェバーだった。