フェリペ・マッサ(フェラーリ)が今季限りでフェラーリを離脱することが明らかとなったが、2014年には、これまで40年以上にわたってF1で活躍していたブラジル人ドライバーがひとりもいなくなってしまうかもしれない。
だが、マッサのマネジャーであるニコラ・トッドは、フェラーリへ移籍するキミ・ライコネンの後任として、ロータスがマッサと契約することを望んでいる。
一方、若手ブラジル人ドライバーのフェリペ・ナスルがF1へのデビューに近づいているのではないかとも言われていたが、レッドブルのドライバー育成責任者であるヘルムート・マルコは、レッドブルのジュニア・チームであるトロロッソへのナスル加入のうわさを否定している。
2014年のF1には、ブラジル人ドライバーひとりもいなくなる可能性が大きくなってきているが、『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』によれば、最後にひとりもブラジル人ドライバーなしに開幕を迎えたのは1970年のことだという。だが、この年には第7戦のイギリスGPで、伝説的ドライバーであるエマーソン・フィッティパルディがF1デビューを果たしている。
かつて2度F1タイトルを獲得し、現在66歳となるフィッティパルディは、「来年F1にひとりもブラジルのドライバーがいなくなるとは思っていないよ」と語り、次のように続けた。
「マッサはほかのチームと契約すると思うよ」
また、F1史上最多出走回数記録を持ち、2011年シーズン後にF1を去ったブラジル出身のルーベンス・バリチェロは、ブラジルのジュニア・カテゴリーとヨーロッパの関係がうまくつながっていない現状を懸念し、次のように語っている。
「ここでのレースと、向こうでのレースには大きな違いがあるんだ」
F1で11回の優勝記録を持ち、現在は出身地であるサンパウロに住むバリチェロは、さらに次のように続けた。
「今日では、単に才能があるだけでは十分じゃないんだ」
F1にブラジル人ドライバーがいなくなってしまえば、F1に対して情熱的なブラジル人ファンにも影響を及ぼすかもしれない。
何十年にもわたってF1中継を行ってきた『Globo(グローボ)』の関係者は次のように語った。
「短期的には、なんの影響もないよ。だが、長期的にはあるね」
「それに、ただブラジル人がF1にいても何の意味もないんだ。活躍できるドライバーであることが重要なんだよ。誰かがマルシャにいたって、何も解決しないのさ」、と付け加えている。