イタリアのファンからセバスチャン・ベッテル(レッドブル)へのブーイングを止めさせるたったひとつの方法、それはベッテルがフェラーリ入りすることだ。
こう話すのは、自身もフェラーリで2000年から2004年まで5年連続で世界チャンピオンとなり、ティフォッシと呼ばれる熱狂的なイタリアのファンから愛されたミハエル・シューマッハだ。シューマッハはベッテルにとって同じドイツ出身の友人であるだけでなく、偉大なお手本だ。
先週末行われたF1イタリアGPの表彰台でベッテルが受けたブーイングは、フェラーリの会長、ルカ・ディ・モンテゼモーロさえも不快にさせたようだ。
今週初めにフランクフルトモーターショーに出席したモンテゼモーロは、「素晴らしいファンの皆さんに感謝したい。ベッテルへのブーイングはなくても良かったでしょうけどね」と苦言をもらしている。
しかし、シューマッハはモンテゼモーロの発言さえもティフォッシの行動を抑えることはできないだろうと考えている。
通算7度F1世界チャンピオンに輝いたシューマッハは『Bild(ビルト)』に次のように語っている。
「僕だって最初から好かれていたわけじゃないよ。ティフォッシに愛されるドライバーになるには、まず赤いレーシングスーツを着ていることが前提なんだ」
シューマッハはイタリアGPで5勝しているが、それは全てフェラーリ在籍時の勝利だ。
「彼らだってセバスチャン(ベッテル)の成績には敬意を払っていると思うけれど、感情的なものを抑えることができないみたいだね」と、イタリアのファン心理を説明した。