レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、フェリペ・ナスルが来季、ダニエル・リカルド(トロロッソ)の後任としてレッドブルの姉妹チームであるトロロッソへ加入するとの報道を否定した。
先日、GP2で活躍する21歳のブラジル人ドライバー、ナスルが、ブラジル銀行とスカイ・ブラジルからの支援を手にトロロッソ入りを目指していると報じられた。
しかし、マルコはブラジル紙『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』からナスルがドライバー候補に入っているか直接聞かれると、「ノー」ときっぱり否定した。
「彼のことは知っているよ。選手権(GP2)に参戦してしばらくたつが、彼はまだ1度もレースに勝っていない」とマルコは指摘した。
マルコのこのコメントにより、レッドブルのドライバー育成プログラムの一員であるアントニオ・フェリックス・ダ・コスタがリカルドの後任候補筆頭に一気に躍り出た。
「昨年、ワールド・シリーズ(フォーミュラ・ルノー3.5)にデビューしたコスタがいきなり数勝を挙げたのには驚いた」とマルコ。
「でも、今シーズンはあまり調子が良くないようだ」
「しばらく様子を見てみよう。急を要しているわけではないからね。我々の育成プログラムに属する若手ドライバーたちが参戦する選手権にも、まだたくさんレースが残っている」
マルコはリカルドの後任ドライバーの条件として、「レッドブルの若手育成プログラム出身であり、F1ドライバーとしての資質のみならず、優勝やタイトルのために戦う姿勢がある者」を挙げ、「かなり特殊である」と認めた。
ダ・コスタの次に有力視されているのは、若手スペイン人ドライバーのカルロス・サインツJr.だ。
しかし、トロロッソのチーム代表フランツ・トストは9日(月)、19歳のサインツJr.が「才能はある」としながらも、「若手ドライバーたちはもっと時間を与えられるべきだ」と述べた。
トストは『EFE通信』に対し、リカルドの後任探しは「すでに始まっており、当然レッドブルが選考プロセスにかかわっている」と話した。
さらに、「我々にはまだ、時間がたくさんある。あと2、3週間で何も決める必要はない」と付け加えた。
「来シーズンが始まる前までに決めればいいことだ。これからじっくり決めるよ」
「我々には、非凡な才能を秘めた若手ドライバーたちが何人かいる。カルロス・サインツJr.はそのなかのひとりだ。でも、クビアト(ダニール・クビアト)もいる。それにフェリックス・ダ・コスタもね」
「今季、まだたくさんのレースが残っている。ダ・コスタは6レースだ。まずはドライバーたちにシーズンを戦ってもらおう。彼らの中から選ぶのか、もしくはほかのドライバーにするのか、考えるのはそれからだ」
トストいわく、GP3シリーズに参戦しているロシア人ドライバーのクビアトとサインツのふたりは、その若さがネックになっているという。
「F1ドライバーは大抵、若くても20歳か21歳に達しているべきだと思う。でも、ほかにも多くの要素がある」とトストは説明した。
一方で、フェラーリに8年間在籍し、現在2014年のシートを探しているとされるフェリペ・マッサが、「若過ぎる」との理由からトロロッソのドライバー候補から外されることはないだろう。マッサのF1における経験も申し分ない。
しかし、マルコはブラジルの『Totalrace(トータルレース)』に対し、「トロロッソは若手ドライバーのためにあるチームであり、わたしの知る限り、フェリペはもう若手ではない」と述べ、マッサのトロロッソ入りの可能性を否定した。