F1イタリアGP(8日決勝)予選を終えて、フェラーリに怒りが渦巻いている。その中心は、フェルナンド・アロンソだ。
うわさになっていたアロンソのレッドブル移籍はなくなったものの、イタリアGP予選前にF1最高責任者のバーニー・エクレストンは、アロンソがフェラーリで「満足していない」と思うと話していた。
アロンソは、フェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモーロとの関係悪化が報じられているが、チームはこれを否定してきた。しかし、予選後にモンテゼモーロは明らかに激怒している様子で、インタビューも拒んでいる。
フェラーリは予選で、フェリペ・マッサ(フェラーリ)にアロンソの前を走らせ、そのスリップストリームを使ってアロンソのタイムを上げる作戦を取った。しかしアロンソはタイムアタックに入る前に、マッサが離れすぎていると無線で訴えていた。
予選の結果は、マッサが4番手、アロンソはそれに次ぐ5番手に終わった。アロンソは直後に、無線でチームを非難したと伝えられている。元F1ドライバーでフェラーリにも在籍したジャン・アレジによると、アロンソはイタリア語でチームスタッフに向けて「愚か者」と言ったようだ。
また、「彼(マッサ)をクビにしろ!」とアロンソが言ったとも伝えられている。
アロンソは取材に集まった記者に対しては平静を装い、「いい予選だった」と話している。アロンソとフェラーリの蜜月は終わったのだろうか。
7日(土)予選前にマクラーレンのジェンソン・バトンが次のように話していたとブラジルの『Totalrace(トータルレース)』が伝えている。「今日、面白いうわさを聞いたよ」
「フェルナンドがマクラーレンに移ると聞いたんだ」
「そうなるかどうかは分からないね。彼がマクラーレンを去る時は、あまりいい離れ方じゃなかった」とバトンは話し、2007年にアロンソが、当時マクラーレンでチームメートだったルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)とチームを二分する争いを演じた末に1年で離脱したことに触れ、「まあ様子を見てみよう」と付け加えている。
元F1チーム代表のエディー・ジョーダンも、この予選後のやり取りから何かを感じ取ったようだ。
「フェルナンドは満足していないね」とジョーダンは現在解説を務める『BBC』で話した。
「われわれは今、予想していなかった出来事が展開する過程を目撃しているのかもしれない」