フォース・インディアのチーム代表であるビジェイ・マリヤが、自身のF1チームがスポンサー資金を持ち込むことができる「ペイドライバー」を雇うような形に陥ることのないよう抵抗し続けると語った。
現在は多くのチームが財政的に困難な状況に置かれており、「ペイドライバー」と呼ばれるドライバーたちの影響力が大きくなってきている。つまり、そうしたドライバーたちが持ち込むスポンサー資金のほうが、それまでのドライバーとしての実績よりも大きくものを言うようになってきているのだ。
だが、フォース・インディアでは、現在のレースドライバーのひとりであるエイドリアン・スーティルが少額のスポンサーを持ち込んではいるものの、マリヤは基本的に今後もその才能によってドライバーを選択していくだろうと主張している。
「ペイドライバーを雇い入れることは、チームに非常に間違った信号を送ることになる。私はドライバーの選択にあたっては、常にエンジニアたちやテクニカルディレクターの意見を聞いているよ」、とマリヤは『AFP通信』に語った。
「2013年に向けては特にそうだった。われわれには2人の候補者がいたが、最終的にエイドリアン・スーティルを選んだんだ」
今シーズンを迎えるにあたって、フォース・インディアでは2011年まで同チームに在籍していたドイツ人ドライバーのスーティルと、フェラーリの育成ドライバーであり、その支援を受けるフランス人ルーキードライバーのジュール・ビアンキ(マルシャ)のいずれかが、ポール・ディ・レスタのチームメートになるものとうわさされていた。このマリヤのコメントは明らかにこのことを指してのものだ。
マリヤはさらに次のように続けた。「これは、チームの技術部門の中心メンバーたちが、彼(スーティル)でいこう、と言ったことが大きかった」
「私としては、そのとき選びうる、最高のドライバーではないドライバーを選択することで、競争力のあるクルマを製造するために払ってきた彼らのすべての努力がサーキットにおいて妥協せざるを得なくなると感じて欲しくはなかった」
「私はこれまでペイドライバーを雇ったことはないし、才能のあるドライバーを選んできた。その主義はこれからも継続するよ」、とマリヤは主張した。
今週末のモンツァ(F1イタリアGP/9月8日決勝)では、フォース・インディアの新しい控えドライバーであるジェームス・カラドが金曜日のフリー走行1回目を担当することになる。
現在はF1の下位カテゴリーであるGP2で活躍している24歳のカラドは、イギリスの放送局『Sky(スカイ)』に、この新しい仕事が自分をF1ドライバーへと導いてくれるものとなることを願っている、と次のように語った。
「多分、僕にとっては、自分に何ができるかということを示すことができる唯一のチャンスだろうし、2014年のドライバー候補となれることを願っているよ」