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2013年F1イタリアGPの見どころ

2013年09月05日(木)22:50 pm

後半戦に突入したばかりのF1だが、今週末のイタリアGPでヨーロッパでの戦いも終わる。伝統のモンツァ・サーキットで行われるイタリアGPを終えるとF1は、チャンピオンを決めるべく、アジア、アメリカ、中東へと戦いの場を移す。

・開催サーキット
イタリアGPの舞台となるのは、ミラノ近郊モンツァの国立公園内にあるモンツァ・サーキット。F1が世界選手権となった1950年から、1年を除いて毎年イタリアGPを開催してきたサーキットであり、フェラーリの聖地、おひざ元と言われることも多い。

フェラーリの地元ということもあり、赤いキャップや服に身を包んだティフォシ(熱狂的フェラーリファン)が毎年モンツァを赤く染め、独特な雰囲気を作り出している。また、レース後にはホームストレート上にティフォシがなだれ込み、表彰台に登ったドライバーを祝福する光景が恒例だ。これもあり、モンツァの表彰台はホームストレートにせり出すような形状になっており、ティフォシがより近い位置からドライバーを祝福できる。

そんなモンツァの特徴はストレート。長いストレートをシケインや低速コーナーでつないだ形状になっており、ストレートでの最高速が重要になる。そのため、モンツァではほかのサーキットとは大幅に異なるウイングを使用し、極限まで空気抵抗を減らしたセッティングが採用される。

また、非常に高速な状態からシケインや低速コーナーのため急激に減速することから、ブレーキング時の安定性も重要な要素となる。しかし、最高速を伸ばすため空気抵抗を極限まで減らすことで、車体を地面へ押し付けるダウンフォースも、ほかのサーキットに比べると大きく減っている。これにより、クルマが不安定になってしまうため、最高速とブレーキング時の安定性の間で、うまい妥協点を探るのがモンツァでの難しさになる。

そして、もう1つモンツァで重要になるのが縁石の使い方。シケインを素早く攻略するには、大胆に縁石を使いながら最短距離で通過する必要がある。しかし、縁石に乗りすぎてしまうとクルマがはね返されてしまう状態になることから、どこまで縁石を使えるのかドライバーは見極めなければならない。さらには、縁石を乗り越えた後、クルマが不安定になった状態から、素早く加速できる状態にできる足回りも欠かせない。

・追い抜きが可能なコース
追い抜きが少なくなっていることが問題視されていた近代F1だが、モンツァは以前から「抜けるサーキット」として知られてきた。最も大きなチャンスになるのは、第1シケイン。このコースで最もスピードの出るメインストレートからシケインに向けて一気に減速する場所だ。

時速350kmに迫るスピードでストレートを駆け抜けるクルマが横並びの状態になり、1コーナーに向けてブレーキング競争をする光景は、見どころの1つになる。また、もう1ヶ所追い抜きのチャンスになるのが、8から10コーナーにかけてのアスカリ・シケイン。右コーナーが2つ続くレズモを抜けた後のストレート区間で前走車の背後につけ、アスカリ・シケインへの飛び込みで抜く形になる。

タイヤサプライヤーのピレリがモンツァへ持ち込むのは、4種類あるタイヤのうち最も硬い組み合わせであるミディアムとハード。ミディアムはタイヤ側面のロゴなどが白、ハードはオレンジで書かれている。決勝では、雨用のタイヤを使用しない限り、この2種類両方のタイヤを使わなければならない。

・優勝争いは?
前戦にベルギーGPに優勝し、ランキングで首位に立つセバスチャン・ベッテル(レッドブル)だが、レッドブルは苦戦する可能性も指摘されている。レッドブルのクルマはコーナリング性能でタイムを稼ぐ傾向があり、モンツァは特性がクルマに合っていないとみられるためだ。

ベッテルとタイトルを争うルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)やキミ・ライコネン(ロータス)にとっては、ここでベッテルとのポイント差を大きく縮めたいところだろう。また、地元フェラーリのフェルナンド・アロンソも、ここで優勝してタイトル獲得の望みをつなげたいところだ。

しかし、モンツァで採用される超高速仕様は、ほかのサーキットで使われないことから、予想が難しい。トップチームが思わぬ苦戦をすることもあれば、中堅チームが優勝争いを展開することもある。どのチームが超高速仕様のクルマをうまくまとめ上げることができるか、それが優勝へのカギになるだろう。

今季F1ヨーロッパ最後の戦いになるイタリアGPは、6日(金)現地時間10時(日本時間17時)に開幕。迫力のスピードで展開される戦いに期待の決勝は、8日(日)現地時間14時(日本時間21時)にスタートする。

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