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トッドFIA会長の成果に疑問を呈するベルガー

2013年09月03日(火)10:06 am

F1運営団体FIA(国際自動車連盟)の会長選がいよいよ始まるが、ゲルハルト・ベルガーは現会長のジャン・トッド着任以来の成果に疑問を呈している。

16年の長きに渡ってFIA会長を務めたマックス・モズレーの後任として2009年に会長職に就いたトッドは、今年12月の会長選に出馬する意向を表明した。

1日(日)に、モズレーは自身退任後のF1の状況、特にチームの財政状況悪化の責任の一端はトッドにあると現会長の手腕の低さを批判した。

モズレーは、複数のチームが資金難にあえいでいるのはトッドが「コスト制限に前向きではない」ためであり、「今のF1には大きな問題がある」と話していた。自身が会長時代に推進し、チーム側との軋轢(あつれき)を生んだコスト制限にトッドが積極的に取り組まなかったためにチームが財政難に陥ったのだと『Welt am Sonntag(ヴェルト・アム・ゾンターク)』に主張した。

モズレーに続いてトッド批判をしたベルガーは、F1の財政難について、また、多くのファンが混乱した現状を嘆いているという事実について聞かれると、あるひとつの原因を挙げた。

F1には変革が必要か、と問われると、ベルガーはこう答えた。「時は熟しているよ」

「以前は、マックス・モズレーと(F1ボスの)バーニー・エクレストンがひとつのチームとして動いていた。それが今では、ジャン・トッドとエクレストンは互いに違うスパイスを使う。お互い好みの合わないシェフのようだ」

「今のF1は、シェフが多いとスープがだめになる。(船頭多くして船山に登る)格言が日に日に身に染みる状況だ」

「そのせいで、われわれの苦労は増え、ファンには理解が難しい事態を招いた」

大きな問題とは、トッドが監督し率いるFIAがひん繁に規約を変えることだとベルガーは言う。

「例えばサッカーで、フィールドを広くしたり狭くしたり、15人制にしてみたり10人制にしてみたり、ゴールを大きくしたり小さくしたりすることは可能だろう。だがそうはしない」

「だから、サッカーは分かりやすいが、F1にとって今は難しいときなのだ」

さらにベルガーは、ひん繁に変わる規約は目を皿のようにしてスポンサーを探す中団チームにとって「異常なコスト」負担を強いていると話した。

また、前車に対して1秒以内にいるクルマが指定区間でリアウイングのフラップを開けて最高速をかせぐDRSは伝統的かつ貴重だったオーバーテイクの性質そのものを変えてしまった、と保守派そのものの意見をベルガーが示している。

「人の手でショーを演出するようなやり方は好きになれない。ファンも同じ気持ちでいると信じている。ファンは、本物のスポーツを求めているんだ」

モズレーとベルガーの同調はトッド批判だけにとどまらず、エクレストン支持についても意見を同じくしている。エクレストンは贈収賄事件裁判の行方次第ではその立場が危うくなる可能性もある。

「エクレストンは完ぺき主義でビジョンをもっているが、ずる賢い。だが、精力的にこのスポーツを何十年も運営して成功に導いた。誰もが感謝を捧げるべきだ」

「エクレストンがいる限り、誰も彼を追い抜けない」

「しかし、F1の所有者は投資会社のCVCだ。この会社がひとつの事業に投資し続けるのは最大でも10年だ。そしてその10年目は間近に迫ってきている」

「必要なのは組織の再編成だ。それは可能なことだと私は思っている。そして、その鍵を握るのはFIAとトッドなのだ」

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