25日(日)に決勝を迎えるF1ベルギーGP。タイヤサプライヤーのピレリは、通常のコンディションでは、1ストップよりもストップの方が理論上は速くなると分析している。以下、ピレリジャパンのプレスリリース。
メルセデスのルイス・ハミルトンが、ピレリの Cinturato グリーン・インターミディエイトタイヤを使用して、戦略が主役となったシーズン中でも屈指のエキサイティングな予選を制し、自身通算 31 回目のポールポジションを獲得しました。予選の各セッションは、ドライとウェットが入り交じったコンディションとなったため、ラップ計測のタイミングが極めて重要になりました。今週末用に選択されている両スリックタイヤ、P Zero オレンジ・ハードと P Zero ホワイト・ミディアムも使用されました。
Q1 開始時に雨が降っており、コンディションの悪化に備え、バンカータイムを記録しておくために、ドライバーたちは 20 分間のセッション開始時にピットレーンに隊列を成しました。セッションの序盤、全ドライバーがインターミディエイトタイヤを使用し、セッションが進むにつれてドライラインが現れ始めました。ケータハムのギド・ヴァン・デル・ガルデとマルシャの両ドライバーが、セッション残り 5 分時点で最初にミディアムコンパウンドへ交換しました。
ドライコンディションが続いた Q2 では、フェラーリの両ドライバー、レッドブルのマーク・ウェバー、メルセデスのルイス・ハミルトンがハードタイヤを使用し、ほかのドライバーたちはミディアムタイヤを使用しました。レッドブルのマーク・ウェバーがハードコンパウンドで最速タイムを記録した後、ロータスのキミ・ライコネンがミディアムでタイムを更新しました。ライコネンは、その後ミディアムでセッションの最速タイムを記録しました。
再び雨が降り始め、Q3 の終盤にかけて雨脚が強くなりました。フォース・インディアのポール・ディ・レスタが最初にインターミディエイトタイヤを装着し、この決断が、彼に初のポールポジションをもたらしたかのように見えました。しかし、セッション終了間際に路面がドライ方向に向かい、メルセデスのニコ・ロズベルグ、レッドブルのマーク・ウェバーとセバスチャン・ベッテル、さらにメルセデスのルイス・ハミルトンが続々と最速タイムを塗り替えました。彼ら全員がインターミディエイトタイヤを使用しました。
午前中の最終フリー走行では、ドライバーたちが主にハードタイヤを使用した中、ベッテルが最速タイムを記録しました。最終的には、ベッテルはミディアムタイヤでセッション最速タイムを記録しました。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント
「今日のスリリングな予選について述べる前に、昨日のフリー走行でセバスチャン・ベッテルとフェルナンド・アロンソのマシンで発生したパンクについて徹夜の調査を行った結果、明確な結論に達したことを報告したいと思います。ベッテルのパンクは、デブリ(ほかのマシンの金属片)によるもので、アロンソのタイヤもまた、同じ金属片によってカットされていました。それぞれのタイヤ上の痕跡が一致しており、いずれも同じ場所(ターン 13)で発生したものでした。
今日の予選では、トラックの一部がウェット状態のままほかの部分では急速に乾く状態となる、いつものスパでの問題が見られました。路面の改善が進み、アウトラップだけでも 2 分間を要することを考慮しつつ、タイヤ選択のタイミングが非常に重要となりました。Q1とQ2では、インターミディエイトからスリックタイヤへのクロスオーバーポイントの見極めが鍵となりました。こういったことは、より不安定な天候が予測されている明日の決勝でも有効に活用できる知識となりそうです。明日の決勝スタートでは、ドライバーたちにはタイヤ選択の自由が与えられるため、戦略の選択肢をさらに広げることになるでしょう」
ピレリの戦略予測:
ベルギーは、戦略予測が困難なグランプリのひとつです。それは、長いラップと、本日見られたような非常に不安定な天候のためです。また、明日は、ドライバーたちがスタート時に装着するタイヤを自由に選択できることも予測を難しくしています。
通常の状況下では、44周で行われる決勝で1ストップもしくは2ストップが可能です。2ストップ戦略は1ストップ戦略よりも3秒程速くなりますが、ラスト5周での逆転になります。したがって、もしセーフティーカー導入の周回が3~4周になれば、各チームは1ストッパーへ変更する可能性があります。
2ストップ戦略:
ミディアムでスタート
1回目のストップ:13 周でミディアムへ交換
2回目のストップ:25 周でハードへ交換
1ストップ戦略:
ミディアムでスタート
1 回目のストップ:19 周でハードへ交換
FP3 のラップタイム上位:
1 ベッテル 1分48秒327 ミディアム新品
2 アロンソ 1分48秒432 ミディアム新品
3 ウェバー 1分48秒533 ミディアム新品
トップ 10 ドライバーの使用タイヤ:
ハミルトン インターミディエイト 2分01秒012
ベッテル インターミディエイト 2分01秒200
ウェバー インターミディエイト 2分01秒325
ロズベルグ インターミディエイト 2分02秒251
ディ・レスタ インターミディエイト 2分02秒332
バトン インターミディエイト 2分03秒075
グロージャン インターミディエイト 2分03秒081
ライコネン インターミディエイト 2分03秒390
アロンソ インターミディエイト 2分03秒482
マッサ インターミディエイト 2分04秒059