依然として、ザウバーの救世主となるはずだったロシアからの支援契約が破たん寸前だという報道が続いている。
先週、まだF1が夏休み期間中であるにもかかわらず、ザウバーは、ロシアからの巨額の支援金が現実のものとはならないかもしれないとの報道を懸命に否定しなければいけない状況に追い込まれていた。
ザウバーはその公式声明の中で、「われわれは、いくつかのメディアが無頓着に誤った報道やうわさを広めていることに対して非常に驚いている」と抗議していた。
また、その声明の中で、ザウバーは今回の支援契約の中核をなす企業の中心人物を父にもつ10代のロシア人ドライバー、セルゲイ・シロトキンとの契約はすでに「整っている」とも明かしている。
だが、ドイツの『Welt am Sonntag(ヴェルト・アム・ゾンターク)』紙が18日(日)に、「まったく逆のことを証明する文書」を入手したと報じた。
一方では、シロトキンの父親であるオレグ・シロトキンは、ロシアの日刊紙である『Izvestia(イズベスチア)』に対し、今週スイスを訪問するのは契約にサインをするためだとし、次のように語っている。
「それは、ほかの似たような(ペイドライバーとしての)契約とそれほど違わないと思っている。それらは大体2,000~3,000万ユーロ(約26~39億円)だよ」
『Welt am Sonntag(ヴェルト・アム・ゾンターク)』の記者、ブルクハルト・ヌッペニーは、すなわち、ザウバーが短期的に生き残りをかけるためには、こうした個々のスポンサー契約を締結できるかどうかにかかっていると報じている。
ザウバーにエンジンを供給しているフェラーリでは、長期にわたって支払が遅延されている1,800万ユーロ(約23億4,000万円)の約半額に近い金額を即座に支払うことをザウバーに対して求めていると伝えられている。
ヌッペニー記者は、「ヴェルト・アム・ゾンタークでは、請求された800万ユーロ(約10億4,000万円)のうち、実際に支払われたのはそのうちわずか300万ユーロ(約3億9,000万円)だけだと聞いている」と書き、こうした状況はF1ベルギーGPの週末にも山場を迎えるだろうと付け加えている。