マクラーレンのマシンは2013年のF1シーズン開幕当初より「ずっと良くなった」。そう証言するのは同チームに今季移籍してきたセルジオ・ペレスだ。
「最初は運転するのがめちゃくちゃ大変だった。でも(冬季テストの)ヘレスに比べると今は違う」と、母国メキシコの『Diario de Mexico(ディアリオ・デ・メヒコ)』紙に語るペレス。
「当時より、かなり良くなった」と話す。
F1の夏休みを利用して帰国したペレスは、メキシコ版NASCAR(ストックカーレース)を戦う兄アントニオの応援で、かつてF1メキシコGPを開催したエルマノス・ロドリゲス・サーキットを訪れた。インタビューはその際に行われたものである。
かなり乗りやすくなったとはいうものの、今季型MP4-28は、まだまだトラブルが多い。ペレスはシーズン後半も苦戦を予想している。
「残り9戦はアタックしようと、やる気満々だよ。でも、そうとう厳しいことは事実だ。まだマシンに戦闘力が欠けているからさ」とペレスは語った。
従って、ペレスがライバルに挙げるのは、大ベテランにして2009年にF1世界チャンピオンを獲得した現在のチームメート、ジェンソン・バトンだ。
「目標はジェンソンを負かすこと。さすが世界チャンピオンだけあって、(バトンのパフォーマンスは)折り紙付きだからね。僕はとってはラッキーだ」
「マシンのポテンシャルに限りがあるだけに、残りレースの目標は打倒ジェンソンにしたんだ」
とはいうものの、さすがのペレスもドライバーズ選手権でバトンのポジションを脅かそうとは思っていない。順位にして3つ、21ポイントも離されているからだ。
「約20ポイント差は大きいよ。あのマシンで挽回は難しい」と語るペレス。
「これほど困難なシーズンになるとはね。でも、これもF1だ。そして、僕のチームメートが最速マシン(ブラウンGP:2009年)でチャンピオンになったのもF1さ」
「運転が難しく不安定なマシンで、こんな1年になるとは予想していなかった。今さら奇跡は望まないよ」というペレスだった。