F1のピットストップに最低停止時間を設けることでピットレーンの安全を確保する案が、チーム代表たちの投票により却下された。
この発案は、F1第9戦ドイツGPでピットレーンの様子を撮影していたFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)のカメラマンが、クルマから脱落したタイヤに接触して大けがを負ったことを受けてのものだ。F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)のレースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングは、25日(木)にチーム代表たちとこの件を話し合った。
しかし、『NBC』とドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によると、チーム代表たちはこの案にはじめから難色を示していたという。
フェラーリのフェルナンド・アロンソは「安全性の向上を望む気持ちは誰もが同じだ。だけど、望む方法は人によって違うんだ」と話している。
ワールドチャンピオンのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)も、最低ピットストップ時間の設定には反対している。
「F1でピットストップは大事なショーのひとつなんだ」と話したベッテルは次のように続けた。
「チーム同士の戦いでもある。メカニックたちは、ほかのチームよりも早く(クルマを)コースに戻そうと必死なんだ」
「ほかのモータースポーツよりもリスクがあるのは承知の上さ」
「突然、すべてのドライバーがあるコーナーを決まった速度で走らなければならなくなったら? どれだけの人が見てくれるだろうね」
「安全は大事だけど、スポーツの要素は残さなければいけない」とベッテルは語っている。