弱冠17歳のセルゲイ・シロトキンが来季、ザウバーからF1デビューを果たすのは、ほぼ確実とみられている。しかし、現在シロトキンが所属するISRのチーム代表を務めるイゴール・サラカルダは、シロトキンのF1デビューが時期尚早であると考えているようだ。
深刻な財政難に直面しているザウバーはこのたび、シロトキンの父と関係があるとされるロシア企業と新たにスポンサー契約を結んだ。もし来年3月にシロトキンのF1デビューが実現すれば、史上最年少F1ドライバーの誕生となる。
シロトキンは週末、オーストリアのレッドブル・リンクで行われたレースに出走したが、その際もシロトキンの周りでは、F1関連の報道が過熱するばかりであった。『Speed Week(スピード・ウィーク)』は、この様子を目にしたシロトキンのボス、サラカルダが「落胆していた」と伝えた。
「こうした過剰な注目は、彼にとってよくない」とサラカルダ。
「あまりにもプレッシャーが大きすぎる。彼はまだ17歳だというのに!」
「明らかに、(F1には)若すぎる」と話すサラカルダは、さらにこう続けた。
「体力的に彼には無理だと言っているわけではない。いまでは誰だってF1のクルマを運転することはできる。F1世界選手権の計り知れないプレッシャーに対処するほうが、ずっと大変なことだ」
またサラカルダは、シロトキンを2011年シーズン途中にHRTのシートを獲得するまで、ISRに所属していたダニエル・リカルド(トロロッソ)と比較してみせた。
「ダニエルは、イギリスのF3からやってきた。そしてワールド・シリーズ(バイ・ルノー)を2シーズン戦った」
「しかしセルゲイは、私も知らないフォーミュラ・アバルトというシリーズやAuto GP、そしてイタリアのF3でしか走ったことがない。とは言え、これらのシリーズでいくらかまともな勝負はしてきた」
「彼はそれなりに速かった。でも、いますぐここで優勝を期待するのは、あまりにも多くを要求し過ぎだ」
「(フォーミュラ・ルノー)ユーロカップ2.0ではすでに多くの戦いが繰り広げられている。ユーロF3も同様だ。しかし、セルゲイはこれらのステップを飛ばしてしまった」
「彼は(フォーミュラ・ルノー)3.5でもっとじっくり経験を積むべきだ」
サラカルダはさらに、シロトキンの今季のレースに対する取り組みに疑問を呈している。
「ダニエルはいつも、サーキットにひとりでいた。そしてすべての時間をチームと過ごしていた」
「だが、セルゲイの場合、いつも大勢の取り巻きを引き連れてやって来る。わたしたちが彼に話しかけることすら大変なときもある」
「ドライバーたちは、チームとの作業に集中すべきだ」とサラカルダは主張した。