NEXT...F1開催スケジュール

佐藤公哉、同ポイントながらランキング首位を維持

2013年07月17日(水)19:50 pm

Auto GPの第5ラウンドを終えた佐藤公哉(ユーロノバ)が、レース1でのリタイアもあってポイントでは並ばれたものの、ランキング首位を維持した。

ムジェロは佐藤にとってレース経験のないサーキット。タイトル争いを演じるランキング2位のセルヒオ・カンパナ、3位のヴィットリオ・ギレッリ、5位のリカルド・アゴスティーニは、いずれもイタリア人でムジェロのレース経験が豊富で佐藤の苦戦が予想された。しかも今回にはナレイン・カーティケヤンに加えて、クリスチャン・クリエンという元 F1ドライバーの肩書を持つ新たなライバルが出場した。

全15台が参加する予選、佐藤は決勝レース2に向けて新品ソフトタイヤを1セット温存する作戦を採り、この予選では新品ソフトタイヤを1セットのみ使用。タイムアタックのチャンスは限られたが、決勝レース1の5番グリッドを獲得した。シルバーストンの第4ラウンドでも佐藤は同じ作戦を採り、決勝レース2で優勝を飾っていることもあって、ここまでは予定どおりだった。

決勝レース1(16周)、佐藤はスタートで出遅れて中位集団に埋もれる。さらに第1コーナーでは後方のライバルに追突されてスピン、しかも停止した佐藤の左横に別のライバルが激突。この影響でエンジン冷却系の配管が破断、冷却液が漏れて走行不能の事態となり、早々にリタイアせざるを得なかった。

決勝レース 2(16周)で佐藤は、13番グリッドと後方からのスタートを強いられたが、いざレースが始まると半周も行かないうちに8番手へ浮上、4周目には6番手へと進出した。予定よりも遅い6周終了時点でピットストップを実施してタイヤ交換義務を消化すると、佐藤はさらにペースアップ。13周目には4番手へ進出してさらに前のライバルを追いかけたが、表彰台には一歩届かない4位でチェッカードフラッグを受けた。

レース後、優勝ドライバーは走路外走行の違反を問われ25秒間のタイムペナルティーを科されて5位に降格。上位4台の順位がひとつずつ繰り上がり、佐藤は3位を手にした。第5戦終了時点での選手権ポイントは佐藤とカンパナが138点で同点、125点のギレッリ、96点のカーティケヤンがこれに続いている。

■佐藤公哉
「決勝レース1のスタートは最初の動き出しこそ良かったのですが、その後の僕のクラッチ操作ミスでほぼエンジンストール状態になってしまいました。そこでもう一度クラッチを切り、なんとか加速できましたが、大きく順位を落としてしまいました」

「第1コーナーでは誰に当てられたのかわかりません。内側にはちゃんとスペースを残していたつもりですし、相手はまったく止まりきれないようなスピードで突っ込んできたので、僕はまったく逃げようもありませんでした。スピンしたところにもう1台が突っ込んできて、エンジンの冷却系が壊れて冷却液が漏れて終わりという状況でした。当ててきた相手にはひと言言いたいところですが、僕のスタートミスも遠因だと思うので、今後は自分が気をつけるしかないと肝に銘じます」

「決勝レース2のスタートの出来は普通で、ポジションキープだったと思います。でも、第1コーナー進入の位置取りがうまくできました。前方の車両は左右にずらりと隊列を組んだままコーナーに進入しようとしていたのですが、真ん中にポッカリとスペースがあいていたので思いきって飛び込みました。ここで4台抜き、さらに続くS字コーナーでもう1台抜きました。クルマが1列縦隊になってレース展開が膠着(こうちゃく)するとなかなか抜けないので、その前の混乱している短い間に決着させようと考えていました」

「レース序盤、もう少し渋滞に捕まってしまうと予想していたので、ピットストップは 3、4周目の予定でした。でも、前のクルマのペースが悪くなかったので少しだけ引っ張りました。ピットストップ後の2、3周は、チームの指示もあって目いっぱい攻めました。それで4番手へ浮上しました。3位といっても上位のペナルティー絡みで表彰台には立てませんでしたが、気持ちはホッとしています。これで一段落ついたので、次は目前に迫るF1テストに気持ちを切り替えます」

佐藤はザウバーからF1若手テストに参加し、19日(金)の走行を担当する。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック