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井原慶子、FIAとともにモータースポーツの安全性向上に取り組む

2013年07月12日(金)19:36 pm

WEC(世界耐久選手権)にガルフレーシングから参戦する井原慶子が、統括団体FIA(国際自動車連盟)と協力しながらモータースポーツ界の安全性向上に取り組んでいる。

井原は今年、レーシングドライバーとして活躍する一方、FIAのドライバー委員会で安全性向上や環境に配慮した新技術の推進に取り組み、ウーマン・イン・モータースポーツでは女性がより幅広くモータースポーツへ参画できるよう尽力。また、日産のゼロエミッションモビリティのアンバサダーにも就任し、精力的に活動を行っている。

6月に行われた耐久レースの最高峰ル・マン24時間の期間中には、実車のコックピットを使ってFIAの担当者とLMP(プロトタイプ)マシンの安全性について協議。ル・マン24時間の翌週にイギリスで行われたFIAの世界評議会には井原も参加し、井原が意見した内容が来年のルールに生かされていることを確認できたという。

耐久レースや、女性ドライバーにとっての安全性向上について井原は、次のようにTopNewsの取材で語った。

「LMPについてル・マンで意見して、こと細かにやっています」

「耐久レースというのは、3人で乗らなければならず、クルマを共有しなければいけないので、特に私みたいな女性ドライバーは体格差で妥協しなければいけない点が多く、危険になります」

「例えばシートベルトを正しい位置につけられなかったり、ヘルメットの位置や、サイドインパクトでどこまで頭と肩が安全なホルダーに入っているかなど、体格差で妥協する部分があり、そこが危険になります。そういった部分を妥協しなくても、誰にでも合わせられるような安全基準を提案しました」

井原がLMPマシンの安全性向上に取り組んでいる一方で、今年のル・マン24時間ではGTカテゴリーで死亡事故が発生してしまった。また今年は、NASCARやランボルギーニのワンメイクレースで死亡事故が発生するなど、悲しい事故が続いていた。今後はプロトタイプだけではなく、GTカーの安全性も向上させる必要があると井原は語る。

「今年事故で亡くなっている方を見てみると、ほとんどがGTカー、プロトタイプではないんです。自分でも乗っていて分かりますが、LMPやF1やF3などのマシンは、カーボンモノコックでサイドインパクトも考えられているので、非常に安全だと思います。ものすごい安全なクルマになってきています」

「その一方で事故が続いたことを見ていると、やはりGTカーの安全も考えなければいけないと思っています。クルマやタイヤの性能が上がってきていることもあって、GTカーもコーナリングスピードが上がってきています。それでGTカーの安全装備が格段に向上したかというと、そうではありません」

「特にGTカーは、ドライバーがドアのすぐ横に座っているので、サイドインパクトに弱くなっています。そういった所を改善しなければいけないと痛感しています」

イギリスでの会議では、FIA会長のジャン・トッドとミシェル・ヨー夫妻とも会っていた井原。今後も、FIAの委員としてドライバーという立場から意見し、モータースポーツの安全性向上に努めていく。

【公式】井原慶子オフィシャルfacebook
【公式】チャリティとレース活動へのご支援のお願い
【著書】崖っぷちの覚悟―年齢制限!?関係なし!
【日程・結果】2013年FIA WEC(世界耐久選手権)
【面談】井原慶子x笹原右京「世界へ挑戦する」崖っぷちの“面談”が実現

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