今年序盤は、昨年までの不調から立ち直りを見せていたフェラーリのフェリペ・マッサだが、シーズン中盤ではフェラーリのドライバーの座を危うくしそうな悪循環に陥っている。
2012年シーズンは、その将来についてさまざまな憶測が飛び交うこととなったマッサだったが、今年もフェラーリと1年契約を締結。だが、今季は序盤こそ好調だったものの、第6戦のF1モナコGP以来、クラッシュや事故が続いている。
そして、先週末ニュルブルクリンクで行われたドイツGP決勝では、4周目に不可解なスピンを喫し、エンジンが停止してしまったことにより、そのままリタイアに追い込まれた。
今や、ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)やジュール・ビアンキ(マルシャ)といった名前がマッサの後任候補として取りざたされる状況となっているが、それでもマッサのことを支持し続けるのかと尋ねられたフェラーリのチーム代表、ステファノ・ドメニカリは、ロシアのウェブサイト『f1news.ru』に7日(日)に次のように答えた。
「当然だよ」
「常に言ってきたように、われわれは彼を信じているんだ」
ドメニカリは、さらに続けた。
「確かに、非常にまずいことも何度かあったし、もちろん、われわれとしてもその結果には満足していない。だが、フェリペを支援しなくてはならないんだ。なぜなら、チームはコンストラクターズ(チーム別)タイトル獲得のために戦っているんだからね」
「彼(マッサ)は、チームが100パーセント彼を支援していることが分かっているよ」とドメニカリは締めくくった。
ドメニカリのそうしたコメントにもかかわらず、マッサ自身は2014年シーズンに向けて自分がどのような立場にいるのかについては、はっきりとつかめていないようだ。
マッサは7日(日)に母国ブラジルの『Totalrace(トータルレース)』に次のように語っている。
「そのこと(リタイア)が自分の将来を危うくすることになるのかどうかは分からない」
「ひとつだけ言えるのは、今日起こってしまったことに対して喜んではいないということだ」
ドイツGP決勝でのリタイアは、マッサ自身のミスによるものだと見られている。
また、やはりブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』紙には、「真面目な話、チームが見たところ、僕のクルマには何も問題はなかったんだ」というマッサのコメントが掲載された。
「一番重要なことは、パフォーマンスに限って言えば、今週末の僕はいい仕事をしていた。そして次のレース(ハンガリーGP/28日決勝)でもそれを目指すだけだ」
そう付け加えたマッサは、次のように締めくくっている。
「僕はこれまで何度も苦境を乗り越えてきた。そしてまた同じことをもう一度するだけさ」