ウィリアムズがスランプにピリオドを打つのは、「かなり困難」だ。
そのように話すのは、同チームで最後にF1世界タイトルを取ったジャック・ビルヌーブ。ウィリアムズがF1参戦600回を迎えた2013年F1第9戦ドイツGPを訪れていたのだ。
ビルヌーブが所属していた当時のウィリアムズ、特に1997年は、どちらも飛ぶ鳥を落とす勢いだった。それに引き換え今年のマシンFW35は、ドイツGPでも予選Q1さえ通過できないほど戦闘力に欠ける。
しかも予選日の朝、ウィリアムズのガレージではKERS(運動エネルギー回生システム)のバッテリーが壊れて煙が立ち込め危険な状態に、消防隊が出動する騒ぎとなった。
現在テレビ解説者のビルヌーブは、『El Pais(エル・パイス)紙にこう話す。「ウィリアムズはチームを立て直さなければならないね』
「F1は長年、自動車メーカーが支配していた。彼らが去った後、F1の形だけが残り、金は消えて無くなってしまった」
「スポンサーが寄ってきたのは自動車メーカーがいればこそだったんだ。彼ら(メーカー)が去ったら、連中(スポンサー)もさようならさ」
「だからペイドライバーが簡単に入ってくるんだ。速いかどうかなんてお構いなしさ。そうなれば、悪循環から抜け出すのは容易じゃないね」
ところで、今年いっぱいでウェバーがレッドブルを去るのは、同チームにとって朗報だとビルヌーブはいう。
「だってそうだろう。どう転んでもウェバーは出て行くんだ。だったらベッテル(セバスチャン・ベッテル)に集中すればいい」
「ウェバーがチーム脱退を決めてくれたおかげで、みんなが楽になるのさ」
もしビルヌーブがF1を運営していたら、今の状況をどうするかとの質問に、どこまでもレースに純粋なビルヌーブはこう答えた。「私だったら単一タイヤメーカーの供給は廃止するね。KERSとかDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)とか、そんなまやかしもすべて捨て去る。あとはエンジンの数量制限もだ」
「規則はより単純に、レースはよりピュアに。例えばNASCARのようにね」