F1ドイツGP(7月7日決勝)の開幕を控えたニュルブルクリンクだが、まだ前戦F1イギリスGPでのタイヤ(バースト)破裂による大混乱の記憶が新しいだけに、パドックにはいまだ不安が尾を引いている。
F1公式タイヤサプライヤーのピレリと、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、シルバーストンで起こった憂慮すべき事態の収拾に向けて迅速に反応。チームに対し、今週末のドイツGPにはケブラー製のベルトによる新しいタイヤを供給することにした。
だが、その不安は、リアタイヤを左右逆に装着し、極端なキャンバー設定のもとに、低い空気圧で走行させたことがそのタイヤ損傷の原因であり、実際に責めを負うのはチームのほうだとピレリが主張したことによるものだ。
『SID通信』は4日(木)に、イギリスGPで派手にタイヤを破裂させたルイス・ハミルトンが所属するメルセデスAMGのチーム代表であるロス・ブラウンのコメントを掲載。メルセデスAMGではピレリから提示されていたタイヤの扱いに関するガイドラインを文字通りに守っていたという。
また、ピレリがリアタイヤを左右逆に装着することに不安を表明していることに対して、疑問を持つ者もいる。『Speedweek(スピードウィーク)』の記者マティアス・ブルナーは、次のような匿名のチーム代表のコメントを紹介している。
「タイヤを本来とは逆に装着することは特段新しいことではない。そして、これまではそれによって何の問題も発生していなかった」
「それに、われわれはタイヤの空気圧についても常に許容範囲の中にとどめるようにしている」と、その匿名チーム代表は語った。
それに加え、イギリスGPでのタイヤの問題は、ピットレーンにいる全てのチームに起こったわけではなかった。フォース・インディアのエイドリアン・スーティルは4日(木)、『IANS通信』に対し「(シルバーストンでは)僕たちには何の問題も起きなかったし、次のレースでもそうであることを望んでいるよ」と語っている。