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2013年F1ドイツGPの見どころ

2013年07月04日(木)13:42 pm

先週末のイギリスGPでは、相次ぐタイヤバーストに見舞われたF1。まだわずか数日しかたっていないが、今週末にはニュルブルクリンクでドイツGPが開催される。

・急きょリアタイヤを変更
イギリスGP後、ピレリはイギリスGPでバーストが多発した原因の調査結果を発表。リアタイヤが左右逆に装着されていたこと、推奨した空気圧以下にされていたこと、極端なキャンバー角になっていたことが、タイヤへの負担が大きいシルバーストンの縁石と組み合わさったためだと発表した。また、チーム側が適切にタイヤを使用していれば安全上の問題は起きなかったとも主張している。

しかし、ドイツGPでは、従来のスチール製ベルトを使用したリアタイヤではなく、ケブラー製ベルトを使用したものが供給される。これは、カナダGPのフリー走行でテストされ、ピレリがイギリスGPから導入を目指していたものの、数チームが反対していたことで導入が断念されていたものだ。

シーズン中のタイヤ仕様変更は、全チームの賛成が条件になっていたが、今回の問題を受けて統括団体FIA(国際自動車連盟)が規則を変更したことで、全チームの賛成がなくても仕様変更が可能になった。なお、次戦ハンガリーGP(28日決勝)からは、2012年の内部構造に、2013年用のコンパウンドを組み合わせたタイヤが供給される。

・開催サーキット
ドイツではかつて、ニュルブルクリンクとホッケンハイムリンクで1年に2度F1が開催されていた。しかし、2007年からは両サーキットが隔年で開催することになり、今年はニュルブルクリンクでの開催になる。

ニュルブルクリンクは、天候が変わりやすいことで知られるベルギーGPの舞台スパ・フランコルシャンに近いことから、急激な天候変化に見舞われることもある。レイアウトとしては、低速のシケインから高速コーナーまであらゆるタイプのコーナーがそろっている。

高速コーナーはあるものの、タイヤへの負荷はあまり高くなく、タイヤサプライヤーのピレリはソフトタイヤとミディアムタイヤを持ち込む。ソフトはタイヤ側面のロゴが黄色、ミディアムはタイヤ側面のロゴが白になる。決勝では、雨用のタイヤを使用しない限り、この2種類のドライタイヤ両方を使用しなければならない。

また、天候が変化した場合、うまく路面状況に対応する必要がある。そのときの路面状況に適したタイヤを装着できなければ、1周で数秒も遅れる可能性があるため、特に予選や決勝では天候変化への対応が重要になる。

・タイヤ変更の影響は?
リアタイヤがスチールベルトからケブラーベルトへ変更される影響は大きいとみられる。ドイツGPに投入される新リアタイヤは、カナダGPの初日フリー走行でテストされていたものだが、この日のセッションは雨の影響を受けていた。午前中のセッションは最後の約20分しかドライで走れておらず、各チームとも新タイヤのデータが少ない状態でドイツGPを迎えることになる。

また、ベルトがスチール製からケブラー製に変更されることで、タイヤの発熱特性・耐熱特性が変わる。スチール製ベルトに比べて、ケブラー製ベルトではタイヤの温度が約10℃下がるとも言われており、タイヤへの負担が小さかったフェラーリやロータスなどは、逆にリアタイヤが温まらずに苦戦することも考えられる。

一方、タイヤへの負担が大きいとされるレッドブルやメルセデスAMGにとっては朗報だ。特に、今季は予選で圧倒的な速さを見せながら、決勝ではリアタイヤの性能低下が原因でペースを落としていたメルセデスAMGは有利になる可能性がある。

・優勝争いは?
イギリスGP同様に、レッドブルとメルセデスAMGが優勝争いの中心になるとみられる。フェラーリやロータスは、新リアタイヤへうまく対応できるかが大きなカギになるだろう。

また、F1を3連覇中のセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は、これまで母国であるドイツで優勝できていない。ベッテルがメルセデスAMGなどのライバルを抑えて、母国での初優勝を果たせるのか、そんな点にも注目だ。

新リアタイヤが導入されるF1第9戦ドイツGPは、5日(金)現地時間10時(日本時間17時)に開幕。決勝は7日(日)現地時間14時(日本時間21時)にスタートする。

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