タイヤの安全性が大きな問題となっているが、スペインのスポーツ紙は、ピレリが無断でタイヤの構造を変更していたと報道している。
シルバーストンで行われたF1第8戦イギリスGPで、バースト(破裂)が相次いで発生したが、『Marca(マルカ)』の記者マルコ・カンセコは、ピレリがFIA(国際自動車連盟)やチームに知らせず合意も得ないままタイヤの構造を変更していたと伝えている。
「最悪の場合、ドライバーの命を脅かしかねなかった」とカンセコは書いた。
『Marca(マルカ)』の記事には、シルバーストンで使用されたタイヤはまったく新しい構造で、従来のスチールベルトの中にケブラー製のベルトを重ねた構造だったとある。
今シーズンはタイヤ表面のトレッドがはがれるデラミネーションという現象が何度か起きており、ピレリはそれを修正するために内部のスチールベルトをケブラー製のものに変える提案をしていた。しかし、ロータスやフォース・インディア、フェラーリがこれに反対し、導入されなかった。
ピレリの行為が明らかになったのは、イギリスGP決勝でバーストを経験したザウバーとマクラーレンが、チームスタッフを現場に行かせたところ、破片の中にケブラーベルトの切れ端を発見したためだとカンセコは伝えている。
ピレリのモータースポーツ責任者であるポール・ヘンベリーは、この報道を否定した。
「(シルバーストンの)タイヤはバルセロナで使われたものと同じだと保証できる」とヘンベリーは話している。