メルセデスAMGがF1イギリスGPでも速さを見せつけたことで、F1界はいまだに平常心を取り戻せず、5月にメルセデスAMGがバルセロナで行った秘密テストを非難する声が後を絶たないようだ。
メルセデスAMGは、テストを実施して以降、3レースのうち2レースで優勝するという劇的な変身ぶりを見せた。ニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンというレギュラードライバーによって行われた1,000キロメートルにもおよぶ秘密のテストで、メルセデスAMGが不公平なアドバンテージを得たことがその理由だと考えられている。
もしバルセロナでのテストをやっていなかったとしてもシルバーストンで勝てたと思うか、と30日(日)に尋ねられたロズベルグは、「それは確かだよ。間違いない」と強気の発言を行った。
しかし、フェラーリのチーム代表であるステファノ・ドメニカリはそう考えていないようだ。
「何も言うことはないよ」、とスペインの『AS』紙に語ったドメニカリは、「もう論争は避け、静かにしているよ」と続けた。
メルセデスAMGの会長職にあるニキ・ラウダは、そうした関係者に対する嫌みをこめて次のように語った。
「そういうナンセンスなことには聞く耳を持たないね。裁判所(F1を統括するFIAによって行われた国際法廷)が裁定を下し、それですべて終わったんだ。だからわれわれはレースに集中しているよ」
バルセロナでのテストに対し、フェラーリとともに正式な提訴を行い、その後も強い非難の声を上げ続けてきたレッドブルとメルセデスAMGの関係はとりわけ緊張したものとなっている。
メルセデスAMGの首脳であるトト・ヴォルフは先週、ドイツのメディアに対してレッドブルのオーナー企業であるレッドブル社に向けて、かなり荒っぽいコメントを行ったようだ。
ヴォルフは『Tagesspiegel(ターゲスシュピーゲル)』に対し、「レッドブルは越えてはいけない一線を越えてしまった」と主張。自分が繰り出したカウンターパンチを正当化するとともに、そのコメントはディートリッヒ・マテシッツ(レッドブル総帥)をひどく怒らせたかもしれないとも認めている。
これに対し、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、「雄弁だね。実に雄弁だ」とやり返した。さらに、『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』によれば、マルコは今後、ラウダだけを相手にすると宣言したという。
「少なくとも、彼(ラウダ)は人格者だからね」、とマルコは語った。