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2013年F1イギリスGPの見どころ

2013年06月27日(木)12:18 pm

北米での戦いを終えたF1は、再びヨーロッパへ戦いの場を移し、シルバーストンでF1イギリスGPが開催される。

・メルセデスAMGのタイヤテスト問題
前戦F1カナダGP後、今年のクルマとレースドライバーを使って極秘タイヤテストを行っていたメルセデスAMGの処分を決める国際法廷が開かれた。統括団体FIA(国際自動車連盟)は、メルセデスAMGがテスト禁止に違反したため有罪だと認めつつも、戒告処分と若手テストへの参加禁止という軽い処分しか下さなかった。

また、この処分内容はメルセデスAMG側が提案していたものと同じだったため、各チームがこの裁定に反発している。レッドブルは「スパイゲート」事件と同額の1億ドル(約98億円)の罰金を求めていたと報じられ、フェラーリも公式ウェブサイトを通じて裁定を痛烈に批判していた。

メルセデスAMGにとってイギリスGPは、チームの本拠地がある母国レースだが、この問題はしばらく後を引きそうだ。

・開催サーキット
イギリスGPが開催されるのは、シルバーストン・サーキット。F1が世界選手権となった1950年に、記念すべき開幕戦を開催した歴史あるサーキットだが、2010年から大規模な改修を実施。現在は、ピットビルディングやスタート位置が以前と変わっている。

新たなスタート位置は、クラブコーナーを抜けた先、アビーコーナー手前のストレートにある。2010年から新たに追加された区間の手前にある短いストレート上だ。新区間には低速コーナーもあるが、コース全体としては以前と同様に、高速コーナーが多くなっており、空力が非常に重要なサーキットのままだ。

高速コーナーではタイヤに大きな負荷がかかることから、タイヤの摩耗が激しいサーキットでもある。そのためピレリは、最も硬い組み合わせであるミディアムとハードのドライタイヤを持ち込む。ミディアムはタイヤ側面のロゴが白、ハードはタイヤ側面のロゴがオレンジになる。決勝では、雨用のタイヤを使用しない限り、この2種類のドライタイヤ両方を使用しなければならない。

・雨が降る可能性も?
イギリスは、天候が変わりやすいことで知られている。シルバーストンもその例外ではなく、毎年、天候が大きな話題になるレースだ。予選で雨が降った場合には、そのときの路面状況に最適なタイヤを使用しない限り、トップチームのクルマでも予選Q1で脱落するなどの大波乱が起こることも予想される。

決勝が雨になった場合にも、路面状況に応じた最適なタイヤを選択することが欠かせない。特に路面状況がレース中に変わっていく場合には、タイヤを交換するタイミングをうまく見極める必要がある。

週末の間に使える雨用のタイヤは、路面の水量が少ない時用のインターミディエイトが4セット、水量が多い時用のウエットが3セットに限られる。そのため、決勝で雨が予想される場合、フリー走行や予選で雨用タイヤを使いすぎず、温存することも考える必要がある。初日のセッションでウエット宣言が出された場合には、インターミディエイトが1セット追加されるものの、決勝で雨の可能性が残っている場合は、雨用タイヤを温存する必要も出てくる。

・優勝争いは?
今季も強さを見せているレッドブルが優勝争いの中心に来るだろう。そして、フェラーリがこれに対抗する展開が予想される。また、今季好調なロータスからも目が離せない。チームの母国レースということもあり、ロマン・グロージャン(ロータス)は「トップ争いをする姿を見せたい」と抱負を語っている。

そして、メルセデスAMGが優勝争いに絡んでくる可能性もある。シーズン序盤は予選で速さを見せながらも、決勝ではタイヤへの負担が大きすぎたためペースを落としていたメルセデスAMG。しかし、ここ数戦は決勝でも速いペースを見せている。タイヤの摩耗が激しいシルバーストンで、メルセデスAMGがどういったパフォーマンスを見せるのか注目だ。

全11チーム中、8チームにとって母国レースとなるF1第8戦イギリスGPは、28日(金)現地時間10時(日本時間18時)に開幕。決勝は、30日(日)現地時間13時(日本時間21時)にスタートする。

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