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FIAとメルセデス・ベンツが取引交渉か

2013年06月25日(火)9:45 am

メルセデスAMGが今季のF1カー、レースドライバーを使って極秘F1タイヤテストを行った件で、21日(金)に国際法廷がチームに戒告と若手ドライバーテストへの参加禁止を言い渡した。今回の結果に満足だとメルセデスAMGが発表しているだけに、F1関係者の間では今回の処分は軽すぎると見ている者が多い。

メルセデス・ベンツのモータースポーツ責任者であるトト・ヴォルフは、『DPA通信』に対し、メルセデスAMG側からシルバーストンでの若手ドライバーテスト不参加という提案をしていたことに触れながら次のように語った。

「判決は適切だった。実際、法廷はかなりわれわれの弁護士の主張を酌んでくれた」

さらに、今回の件により、チーム代表のロス・ブラウンの立場がいっそう危うくなったとのうわさが強くなったことに対し、これを否定し、次のように語った。

「ロスはわれわれのチームの重要な部分だ。これでまたみんな仕事に戻ることができるよ」

ヴォルフとともにメルセデスAMGの首脳陣の一角を占めるニキ・ラウダが、FIA(国際自動車連盟)による聴聞が行われる直前まで、法廷外での平和協定を結ぶためのとりまとめ役として動いていたと示唆したが、これについてヴォルフは、メルセデス・ベンツの首脳陣によって却下されていたという。

「さまざまなことが検討された」と認めたヴォルフは、次のように続けた。

「だが、結局われわれは、透明性のあるやり方で行くことを選択した。メルセデス本社からの支援もあり、すべてが明確かつ円満に進んだよ」

しかし、実際には、ルール違反という裁定を下されてもメルセデスがF1を撤退することを避け、結果としてFIAも満足するような「取引が行われた」とのうわさもささやかれている。

『Der Spiegel(デア・シュピーゲル)』のラルフ・バッハ記者は、次のように書いている。

「FIAがメルセデス・ベンツとの取引交渉を行ったという感触を持っている者もいる」

今回の判決に関しては、かつてHRTのチーム代表であったコリン・コレスもその軽すぎる処分は「不可解」だと述べるほか、世界的なメディアの多くがその意見に同調している。

イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』や『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』が、今回の判決は「冗談」であり「滑稽だ」と報じれば、ドイツの『Bild(ビルト)』や『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』でさえ、「及び腰」で「驚くほど寛大」だと書いた。

スイスの『Blick(ブリック)』紙のベテラン記者であるロジャー・ブノワは、判決が軽かったのは「彼ら(FIA)が、メルセデス・ベンツが撤退してしまうことを恐れた」ためではないかとの疑問を呈している。

「メルセデスが去ってしまえば、F1は悲惨なことになる。来年、ウィリアムズやフォース・インディア、そしてマクラーレンにも新たなターボエンジンを供給することになっているんだからね」とブノワは付け加えた。

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