ロバート・クビサが、モータースポーツ最高峰のF1に復帰しても、8割のサーキットでは走ることができると語ったものの、実際にサーキットテストを行いたいと焦ってはいないと主張している。
かつてBMWザウバーやルノーで活躍したクビサだが、2011年シーズン開幕前にラリーレースでクラッシュ。その後、事故の後遺症で麻痺した右腕のリハビリを続けながら、F1復帰への道を探っている。そのクビサが、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に非常にF1が恋しいと認め、次のように語った。
「また、あそこへ戻って、留まるためなら何でもするよ。でも、理由は明らかだけど、日ごとにその可能性は失われていくんだ」
「だから、僕がF1を恋しく思うのは当然のことさ」
28歳となったクビサは、現在シトロエンとともに世界ラリー選手権のWRC-2クラスに出走し、素晴らしい戦いができていることに満足しているとし、次のように続けた。
「(F1で走るには)まだ、右腕が完全に動かせる状態ではないんだ」
「これからも長い道のりになるし、僕だけの力ではどうにもならないこともある。F1でレースをするための完全な身体機能を取り戻すことはないだろう」
そう語ったクビサだが、現在はブラックリーにあるメルセデスAMGの本部で定期的にF1シミュレーターでのテストを行っている。メルセデスAMGではクビサがクルマの開発を支援していることを認めている。
しかし、クビサは次のように続けた。
「実際のところ、すべてのサーキットをドライブすることはできなかったよ。たとえば、モンテカルロではハンドルの切り返しも多いし、僕にはそれができなかった」
「間違いなく、僕はクルマをドライブすることができた。シミュレーターで、以前と同じように運転できていると感じることができたよ。でも、僕がすべてのサーキットに対応できないのであれば、(サーキットで)テストをしても意味がないんだ」
さらに、『Autosprint(オートスプリント)』にも次のようなクビサのコメントが掲載された。
「身体的負担に関しては、もちろん、シミュレーターではGフォースを再現することはできない。でも、クルマでやることや、操作に関しては本物のクルマとほとんど同じだよ」
「今では、誰の助けも借りずに(シミュレーターを)使うことができる。でも、本当に正直に言えば、8割程度のサーキットで運転するのが精一杯かもしれない」
クビサは、すでにサーキットでのF1テストを行う予定が組まれているようなことはないと否定し、笑いながら次のように続けた。
「だって、そういう秘密を隠し続けることはできないよ」
「本当にないんだ。レースに復帰できるという見通しがなければ、テストにはそれほど興味はないよ」とクビサは締めくくっている。