【ル・マン24時間】アウディ、ハイブリッド車で2連勝

2013年06月24日(月)19:08 pm

アウディは、今年のル・マン24時間レースでquattroシステム搭載のハイブリッドマシンAudi R18 e-tron quattroによる2度目の優勝を獲得。優勝マシンをドライブしていたのは、ロイック デュバル(フランス)、トム クリステンセン(デンマーク)、アラン マクニッシュ(イギリス)の3人でした。

当初から予想されていた通りアウディによる12回目の優勝獲得への道は、これまでになく過酷で困難なものでした。レギュレーション変更により、Audi R18 e-tron quattroはライバルのトヨタに比べ、満タンの燃料で走れる距離が平均で2ラップも少なくなり、より多くのピットストップで消費する時間を補うために、アウディのドライバーたちはさらに速く走ることを求められる中、その困難な課題を見事に克服しました。

今年は度重なる雨に見舞われ、混乱の多い展開となりました。雨は数多くのアクシデントを引き起こし、セーフティカーが合計11回も投入され、さらにコース改修など合計5時間以上もイエローコーションとなりました。

フロントアクスルを電気で駆動する3台のAudi R18 e-tron quattroは24時間をもっとも速く、もっとも低燃費で走り続け、その功績によりクリーンで速く、そして低燃費で走るプロトタイプカーに与えられるミシュラン グリーンXチャレンジの栄誉にも輝きました。

今年も現地でレースを観戦していたAUDI AG取締役会会長ルパート シュタートラーは以下のようにコメントしています。「エンジニアたちの革新的精神、チーム全員が持っていた高い責任感、そしてドライバーたちの高い技術と極度の緊張にも打ち勝つ強い精神力に支えられ、アウディは12回目のル・マン優勝を達成することができました。アウディ全社を代表して今回の勝利に貢献したすべての人々へ、心から感謝と祝福の意を表します。今回の偉業達成によりアウディが誇るハイブリッドシステムや最新のテクノロジーが、将来のクルマ作りに大きく貢献することを確認出来ました」。革新的ラジエター、夜間にコーナーをより明るく照らすマトリックスビームLEDヘッドライトなどの技術が、ル・マンで大きなアドバンテージを生み出していました。

「レギュレーションだけでなく、今年はいくつもの理由でとても厳しいレースになるだろうと考えていました。その予想通りトヨタは強力なライバルでしたが、我々のAudi R18 e-tron quattroは、見事に戦いを制しました。この成功を獲得するまで何ヶ月も準備を続けてきたチーム全員に感謝しています」と、アウディモータースポーツ代表Dr. ウォルフガング ウルリッヒはコメントしています。

アウディに12回目のル・マン優勝をもたらしたのはポールポジションからスタートした、2号車のロイック デュバル(フランス)、トム クリステンセン(デンマーク)、アラン マクニッシュ(スコットランド)のトリオでした。予選でポールポジションを記録したデュバルは今回がル・マン初優勝となりました。アラン マクニッシュは3回目、トム クリステンセンは2005年の初優勝からル・マン最多優勝を誇りその記録を9回に伸ばしました。

優勝した2号車のAudi R18 e-tron quattroは一切のメカニカルトラブルに見舞われずに24時間を走り切りました。デュバル / クリステンセン / マクニッシュの3人は、土曜日の夜9時43分にトップに立ち、そこから日曜日の午後3時のゴールまで一度もトップの座を明け渡すことなく走り続けました。彼らはレース序盤で2番手を走るライバルのトヨタに1ラップのアドバンテージを作り出すとその後の激しい雨による混乱の連続をものともせず、そのリードを最後まで守りきりました。

ほかのAudi R18 e-tron quattroは、レース開始から7時間がたとうとするころ、ほぼ同時に不運に見舞われ予定外のピットストップを余儀なくされ、それまで保っていたアウディの1-2-3番手走行が途絶えてしまいました。オリバー ジャービスはほかのマシンに衝突され、その弾みでタイヤがパンク。その後ピットに戻るためにほぼ1周をパンクした状態で走行せざるを得なかったため、トップに2ラップの後れをとってしまいました。しかし、ル・マン初出場のルーカス ディ グラッシ(ブラジル)、マルク ジェネ(スペイン)、そしてオリバー ジャービス(イギリス)のトリオは破竹の追い上げを見せレース終盤にトヨタを抜いて3位に浮上し、その後はポジションを守りきり、表彰台を獲得しました。

マルセル ファスラー(スイス)、アンドレ ロッテラー(ドイツ)、ブノワ トレルイエ(フランス)のトリオは、オルタネータ交換作業によって一時的に12ラップ遅れの24位まで順位を下げましたが、2011年および2012年の勝者である彼らは、レース終了時にはその順位を5位まで回復させました。

Dr. ウォルフガング ウルリッヒ アウディモータースポーツ代表:
「これまで15年にわたり参加してきたル・マンの中で今年が最も過酷なレースでした。その理由のひとつが、レース開始直後にアラン シモンセンの悲劇に直面したことであることは言うまでもありません。我々は彼の家族と同様の悲しみに打ちひしがれました。同時に、レース展開も厳しいものでした。24時間を通じて目まぐるしく変わる天候により、刻々と変化する状況に対応し続ける必要がありました。これによって、ピット周辺のスタッフ全員が、わずかな休憩も取れずに動き続けていました。2度と経験したくない過酷な状況でした。そんな厳しい状況にも関わらず、チームクルーはすべて、完ぺきで素晴らしい働きをしてくれました。私は、彼らと共にル・マンを戦えたことを誇りに思っています」

クリス レインケ LMPプロジェクトリーダー:

「混乱に見舞われたレース序盤から、我々は素晴らしいバトルを繰り広げました。数多くのテクノロジーが、これまでになく過酷な天候に打ち勝ち、最後まで素晴らしいレースを支えていました。この様な状況になることもあろうかと、我々は最善の準備を調えてレースに臨み、その結果としてAudi R18 e-tron quattroが表彰台のトップを獲得することができました」

ラルフ ユットナー アウディスポーツ チームヨーストのテクニカルディレクター:
「今年のレースは、悪天候によるセーフティカー ピリオドが度重なり、これまで経験したことのない混乱に見舞われました。展開の予測はまったく不可能でした。そのおかげで最後まで気の抜けないスリリングなレースとなりました。我々のマシンは、本当に非の打ち所がなくトヨタを相手に勝利を収めることができました。我々のマシンならライバルに充分に勝てると考えてはいましたが、2号車がその考えが正しかったことを証明してくれました。トム クリステンセンの9回目、アラン マクニッシュの3回目、そして何よりロイック デュバルの初優勝を祝したいと思います。これまで感じたことのない想(おも)いが沸き上がっています。優勝マシンはもちろん、ほかの2台を担当したチームを含め、アウディスポーツのスタッフ全員に感謝しています。彼らは本当にハードワークをこなして優勝に貢献しました。不運にも3号車はほかのマシンに接触され、優勝争いから退くことになりました。1号車は優勝する可能性が高かったものの、些細(ささい)なことが原因でその機会を失いました。ル・マンで優勝するには幸運も必要だということを、あらためて感じました。レースに挑戦して2位を獲得したトヨタは、称賛に値する戦いをしたと思います」

ロイック デュバル (Audi R18 e-tron quattro 2号車):

「数多くの感情を掻(か)き立てられると同時に、勝つためには並々ならぬ努力が不可欠なル・マンは、本当に偉大なレースだと思います。私は今、感動の涙を堪えきれません。一方レース開始直後にアラン シモンセンの不幸に接した私たちにとって今回のレースはとてもつらいものとなりました。昨年以降、チームはあらゆる準備を行い素晴らしいマシンを提供してくれました。トム クリステンセンやアラン マクニッシュと獲得した今回の優勝は、私にとってル・マン初優勝です。レース人生の中で、最高の日となりました」

トム クリステンセン (Audi R18 e-tron quattro 2号車):

「今回のル・マンは特別な想(おも)いにあふれるレースでした。世界最高のチームで参戦出来たことを誇りに思っています。この想(おも)いは、すべてのチームメイトだけでなく、インゴルシュタットやネッカーズルムで働いているすべての人々、そしてアウディスポーツ チームヨーストの面々に捧(ささ)げます。彼らは、私たちの夢の実現に多くの力を注いでくれました。そして今日、その夢は再び現実のものとなりました。ただ、私たちと同じ夢に向かっていたアラン シモンセンが亡くなりました。彼はとても控え目ですばらしい人でした。私が優勝を手放しで喜ぶことができないのは、彼を失った悲しみによるものです。そもそも私は9度目の優勝を目指して、今年3月に亡くなった父から託された大きな決意と望みを胸に走ろうと考えていました。父は亡くなる前に今年のル・マン優勝を強く願ってくれていました。ロイックやアランと共に今年も優勝を獲得することが、父が残した想(おも)いに応えることだと感じていたのです。そして今、その想(おも)いをアラン シモンセンにも捧(ささ)げたいと思っています」

アラン マクニッシュ (Audi R18 e-tron quattro 2号車):
「今年のレースではあらゆることが順調でした。2013年仕様のAudi R18 e-tron quattroは、ほんとうに完ぺきなマシンでした。シーズンオフの間、エンジニアたちは完ぺきな作業をしてくれました。ロイック デュバルがファステストラップを記録した公式テストの時、トム クリステンセンと私もマシンに対して非常に良い感触を得ていました。それゆえにレースでは慎重かつフェアに走り続けられ、結果として予定外のピットストップを一度もせずに済みました。予期せぬことと言えば、トムが走っている時に見舞われたパンクだけでした。ル・マンの様なレースはほかにありません。私たちはトヨタを相手に厳しい戦いを制して優勝したのです」

ル・マン24時間レースの決勝結果
1: クリステンセン / デュバル / マクニッシュ
(Audi R18 e-tron quattro)  348 laps
 
2: デビッドソン / ブエミ / サラザン
(TOYOTA)  -1 lap

3: ジェネ / ディ グラッシ / ジャービス
(Audi R18 e-tron quattro) -1 lap

4: ウルツ / ラピエール / 中嶋
(TOYOTA) -7 laps

5: ロッテラー / ファスラー / トレルイエ
(Audi R18 e-tron quattro)  -10 laps
(アウディ・ジャパン・プレスリリース)

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