レース中の荒っぽい追い抜きに批判が集まっているセルジオ・ペレス(マクラーレン)について、元所属チームであるザウバーがかばっている。
F1第6戦モナコGPでペレスは、何度も強引な追い抜きを見せ、最後はキミ・ライコネン(ロータス)と接触し、クルマが壊れリタイアした。タイトル争いを邪魔されたライコネンは、ペレスを殴ってやりたいと怒りをあらわにしていたが、マクラーレンはペレスを擁護している。
さらに、昨年まで所属していたザウバーのチーム代表モニシャ・カルテンボーンも、ペレスの姿勢を支持している。
「セルジオがどんなタイプのドライバーかは誰もが知っています」というカルテンボーンの話をブラジルの『Totalrace(トータルレース)』が伝えている。
「あの激しさを受け入れるべきですし、まだ経験が多くないことも忘れてはいけません。時間も必要でしょう」
「2年もすれば変わる点もあるかもしれませんが、攻撃的なところが問題だとは思いません」
「前回のレースでも、2回の仕掛けは成功し、うまくいかなかったのは1回だけでした。それに、こうした態度は、レースをエキサイティングなものにしてくれます」
またカルテンボーンは、のちに偉大になったドライバーとペレスに何も違いはないとしている。
「あの大胆さは意外ではありません」とカルテンボーンは話している。「それが彼らしさだからです」
「偉大なドライバーのことを考えてみても、ミスをおかしてそこから学ぶのは、誰もが通過した道です。彼も同じ。まだ非常に若いのですから」
情熱的なドライバーとして有名なジル・ビルヌーブとペレスを比較する者もいる。しかし、1997年のチャンピオンで息子のジャック・ビルヌーブは違う考えだ。
「攻撃的な面についてはそうだろう」とビルヌーブはスペインの『AS(アス)』紙に話した。「だが、父はもっとクリーンで、相手に敬意を払っていた」
しかし、モナコでのアクシデントに関しては、ライコネンが罰されるべきだったとビルヌーブは見ている。
「明らかにドアを閉めた。どうなるか(追い抜かれると)分かっていたからだ」
「でも、もちろんみんな彼のことが好きだから、何をやってもいいんだ」とビルヌーブは語っている。
「彼が何か言えばプレスルームではみんな笑う。それが良くないことでもだ。僕には理解できないね」