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メルセデスAMG、国際法廷で有罪も

2013年06月09日(日)14:48 pm

6月20日(木)、FIA国際法廷が開かれる。裁かれるのはバルセロナでF1タイヤテストを行ったメルセデスAMGで、F1のパドックでは早くも有罪を心配する声が広がっている。

弁護士からF1チーム代表に転身したザウバーのモニシャ・カルテンボーンは、ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌にこう語っている。「いくら契約があるからって、法は曲げられないわ」

テストはF1競技規則で厳しく制限されているが、全チームを代表する形でマシンを走らせるなら許されるはずだとFIA(国際自動車連盟)との契約を盾にしているピレリ。カルテンボーンは、これを疑問視しているのだ。

一方でスペインのスポーツ紙『Marca(マルカ)』のマルコ・カンセコ記者は、メルセデスAMGに対して500万ないし1,000万ユーロ(約6億4,500万~12億9,000万円)の罰金が課されるとのうわさを伝えている。

レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、スイス『Blick(ブリック)』紙に次のようにコメントしている。「罰金とポイントのはく奪が妥当な線だろうね」

「テストゲート」と呼ばれる今回の事件で、F1カナダGP(6月9日決勝)を取材に訪れたはずのジャーナリストたちは大忙しだ。パドック内には、こと細かな詳細やうわさ話が飛び交っている。

メルセデスAMGは、FIAのチャーリー・ホワイティングが送信したという2013年型マシン使用を許可する旨のEメールを所持しているらしいが、ドイツ『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』によると、それは誤りだという。

ホワイティングの許可は、あくまで「全チームに通知して同意を得たら」との条件付きなのだ。

FIAは各グランプリの金曜日ごとにF1関係者を招いて記者会見を開いているが、カナダGPの会見に出席予定だったピレリのポール・ヘンベリーは、同社に雇われる弁護士の助言を受けて会場に姿を現さなかった。

それはそうだろう。質問攻めにされるのは目に見えているからだ。

例えばこんな疑問が浮かぶ。テストが“秘密”でなかったのなら、なぜメルセデスAMGのレースドライバー、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグは真っ黒なヘルメットを被っていたのか。

メルセデスAMGのビジネス部門のエグゼクティブ・ディレクター、トト・ヴォルフはドイツ『RTL』に対して次のように説明する。「ファンの安全を考えてのことだ」

「ガードマンもいなければマスコミもいない状況で、サーキットに大挙して来られると困るからね」

「秘密にしたければ、スタッフにチームのユニフォームを着せるわけがないだろう。機材の輸送だって無地のトラックを使ったはずだ」

『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』によると、“秘密”が明らかになったのはホワイティングがGPDAの役員であるセバスチャン・ベッテル(レッドブル)、ペドロ・デ・ラ・ロサ(フェラーリ)、そしてジェンソン・バトン(マクラーレン)にテストの事実を伝えたからだという。

メルセデスの極秘F1タイヤテスト問題が長引けば、やはりシーズン中のテストを戻そうという話に発展するのではないか。

F1に残って欲しければテストを認めろとピレリが要求したとのうわさもある。また先週には、2011年型マシンを使ったフェラーリのテストはルールに反していないとするジャン・トッドFIA会長の結論も出ている。

フェラーリ代表のステファノ・ドメニカリはこう語る。「競技規則にのっとると、2011年製マシンを使用すればテストにあてはまらないというのがわれわれの解釈だ」

また、メルセデスAMGのチーム代表としてのロス・ブラウンの責任問題もある。バルセロナのテストはブラウンの決定で行われたからだ。

またしても代表の座がおびやかされるわけだが、そんなうわさについてブラウンは、カナダGPで次のように語っている。「思うに以前もそんな話が持ち上がったが、結局何も起きなかった」

「国際法廷の判決を待つしかないだろう。話はそれからだよ」

ライバルチームはメルセデスAMGに「罰金とポイントはく奪が妥当」と考える。

ライバルチームはメルセデスAMGに「罰金とポイントはく奪が妥当」と考える。

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