ホンダは4日(火)、近距離移動用の超小型EV「マイクロコミュータープロトタイプβ」を使った社会実験を行うための覚書を、熊本県および沖縄県宮古島市と締結し、今秋からの順次実施に向けて具体的検討を開始した。
この社会実験は、国土交通省主導で導入が検討されている超小型モビリティーの車両区分および欧州L7カテゴリー(欧州の二輪カテゴリーのひとつで、EVの場合はバッテリーを除き、重量400kg以下、出力15kW以下)を視野に入れて実施されるもの。具体的には、高齢者層の近距離圏内の日常的な移動支援のほか、通勤や業務目的のカーシェアリングといったさまざまな用途での可能性に加え、それぞれの環境に合わせたインフラを含めた街づくりについても各自治体と共に検証してゆくとともに、子育て層に対しての価値検討も合わせて推進されることになっている。
この実験に用いられる「マイクロコミュータープロトタイプβ」は、バッテリーやモーター、コントローラーなどを床下およびリアスペースに配置し、動力機能をコンパクトに完結させたプラットフォームを採用。これにより、さまざまな用途や顧客の要望に合ったボディーや内装を、既存の自動車より比較的容易に開発・生産することを可能にする。今回の社会実験には、2名乗車タイプの車両(リアシートを交換することで大人1名+子ども2名の乗車も可能)が提供される。
熊本県では、各地域における移動の問題の改善と、それに伴う地域の活性化、観光地としての新たな魅力の創出に加え、環境エネルギー問題にも取り組み、各施策の効果検証を実施。宮古島市では、環境モデル都市としての取り組みの一環として、離島での街づくりや環境事業と連携した超小型EVによるCO2排出量低減効果の検証が予定されている。また、観光地における環境対策のひとつとして、再生可能エネルギーで超小型EVを運用するCO2フリー化の検討も東芝と共同で進められることになっている。