ロータスのキミ・ライコネンとロメ・グロジャンが、モンテカルロ市街地コースで行われる第6戦F1モナコGP(5月26日決勝)に向けて意気込みを語った。
Q:現在のドライバーズランキングのポジションや、今シーズンのクルマのパフォーマンスにはかなり満足していると思いますが。
ライコネン:首位に立っているわけじゃないからそれほど満足はできないよ。悪夢のような状態じゃないのは確かだけど、まだ何レースも残っているし、F1では何が起こるか分からないからね。モナコでは違う難しさもあるから、今年はどんなことが起こるか、様子をみないとね。
Q:昨年のモナコGPではさほどいい成績が残せてはいません。今年はもっといい結果にしたいですよね?
ライコネン:前回犯したミスを繰り返さないようにしないとね。週末を通じていくつかのことをうまくやることができなくて、それによって苦しめられてしまったんだ。ときにはそんなことも起こるものだけど、大事なことは、同じ失敗を繰り返さないということだ。
Q:モナコGPというのは、どんなレースですか?
ライコネン:レースを色分けしてみたところで意味はないよ。タイトルを勝ち取るためには、一つひとつのレースが重要だからね。とは言うものの、モナコのような本当に特別なレースはほかにはないね。モナコでうまくやれたときほどうれしく思えることはないよ。
ライコネン:モンテカルロ市街地コースでのレースはほかとは全く違うし、それにチャレンジすることを毎年楽しみにしている。ものすごく難しいし、モナコで何も問題のない週末を送ることは、実際のところほとんど不可能だよ。
Q:2005年にモナコで優勝していますが、そのときはどんな気分でしたか?
ライコネン:以前、1度だけうまくやれたことがあって、優勝できたことで最高の気分を味わうことができた。僕の2005年の優勝はもっとも思い出深いものだし、再び優勝することができれば、本当に格別だろうね。
Q:クルマを運転するとき、何が難しくなりますか?
ライコネン:ああいった狭くて曲がりくねったコースでは、一層鋭敏でなくてはならないし、1メートルだって気を抜くことはできない。だから、モナコを速く周回できたときはすごくいい気分になる。追い抜きはほとんど不可能だ。だから、あそこでのレースを本当に楽しみたければ、トップに立っていないとダメだね。
Q:雰囲気についてはどうですか?
ライコネン:モナコは常に特別だね。訪れるには面白いところだよ。ファンがたくさんいて、パーティーもたくさん行われている。聞いた話だけどね。ほかと比べても、まったく違う雰囲気だね。
Q:週末にはどのように臨みますか?
ライコネン:まず、予選に焦点を合わせなくてはならない。さっきも言ったように、すごく狭くて、ほとんど追い抜きも不可能な難しいところだからね。2009年にはルーベンス(バリチェロ/当時ブラウンGP)の後ろにつかえてしまった。そのとき僕はKERS(運動エネルギー回生システム)を持っていたけど、それでも追い抜くことはできなかった。タイヤがどのような働きをするかを見極め、いい戦略が立てられるかどうか考えないといけない。でも、一番大事なことは、予選をうまくやることだ。
ライコネン:モナコでは、クルマがどれだけの働きをしてくれるのかを知るのは難しい。あのような特性をシミュレートすることはできないからね。とにかく、僕たちがこれまでに訪れたサーキットとは全然違うんだ。言えるのは、E21(ロータスの2013年型車)はどこでも速かったということだし、ここでもまた速いことを期待したい。
Q:予選が重要だということになると、心配になりませんか? その部分はE21があまり得意とするところではないでしょう?
ライコネン:最善を尽くすよ。でも、当然誰もが最前列を目指してくるだろう。僕たちにとって不可能なことではないけれど、まだ実際にモナコへ行ってみないと僕たちがどれほどやれそうかは分からない。タイヤ交換をしなくてはならないし、ライバルたちと違う戦略をとればチャンスも出てくるだろう。でも、モナコはほかのどこよりもそれが難しいのは確かだ。
Q:スペインGP(第5戦)では不満がつのったでしょうね?
グロジャン:うそはつけないし、イラついたりしなかったとは言えないね! ドライバーならすべての周回をしたいと思うものだ。いいクルマがあるときはなおさらね。とは言っても、少なくとも、あのとき起こった技術的な問題に関しては、またすぐに気持ちを切り替えられるよ。ミスや接触、あるいはコースオフして起こったものではなく、部品の欠陥だったことはすぐに明らかになったしね。
グロジャン:レースそのものについては、スタートはあまりよくなかった。でもその後はペースに乗れていたし、レース戦略をうまく展開できるだろうということも分かっていた。だから、いい結果を残せる可能性はあったんだ。あのリアサスペンションの問題が起こるまでは、クルマの感触もかなり良かった。
Q:何かおかしいと感じたのはいつですか?
グロジャン:突然、何かがおかしいという感覚に襲われたんだ。そして、もうレースを続行することは不可能だということがすぐに分かったよ。僕はピットに戻り、それでおしまいだった。
Q:そのようにレースが早く終わったときは、何をしているんですか?
グロジャン:クルマを降りて、エンジニアたちともっと何かできることはないかどうかを確認し、その後はみんなに交じって残りのレースを観るよ。ときには、ピットウォールにいるエンジニアたちに、彼らの手助けになるような追加情報をいくつか提供できることもある。
グロジャン:チェッカーフラッグが振られたら、すぐに報告会をやるよ。完走したときと同じようにね。(前回のように)話せるのが8周分だけだと、そんなに長くはかからないけど。エンジニアたちとの総合的なレース分析は後で行うことになる。エンストン(ロータス本拠地)に戻ってからね。
Q:次のモナコは、あなたのお気に入りのサーキットですね。
グロジャン:またモナコでレースをするのは、素晴らしいだろうね。僕にとっては母国レースのようなものだし、サーキットも本当に大好きだよ。昨年は速かったし、今年もまた速く走れるといいね。集中と注意を切らせないものすごい週末になるけど、誰もがモナコは大好きだよ。その前によく休んでおかなくちゃ。待ちきれないよ。
Q:モナコではなにがそれほど特別なのですか?
グロジャン:モナコのレースはそれ自体が特別なんだ。それに雰囲気も、ものすごいよ!
グロジャン:ドライバーとしては、落ち着き、リラックスして自分の仕事に向かわないといけない。どんなミスも許されないサーキットなんだ。それに気を付けなければならないし、それがモナコでのカギになる。僕にとっては、フランス人のファンが大勢いるのも素晴らしいことだし、彼らの応援を楽しみにしているよ。
Q:とても独特でほかとは違うサーキットですが、E21(ロータスの2013年型車)はどのようなパフォーマンスを示せると思いますか?
グロジャン:それはこれから分かることだね。モナコはほかにはないタイプのサーキットだし、クルマがそこに合うかどうかを言うのはとても難しい。ストレートには路面の段差が多いし、グリップもとても低いんだ。ということはつまり、どうなるかまったく分からないということだよ。もっと普通のサーキットなら、どんな状態になりそうか、もっと分かるんだけどね。クルマが、独特の難しさを持つモナコに合うものとなって、うれしい驚きが得られることを期待しているよ。
Q:今シーズンの第6戦モナコGPでは、どういうことを達成したいと考えていますか?
グロジャン:正直に言えば、また表彰台に上りたいと思っている。昨シーズン、(ほかの場所で)初めて表彰台を経験したし、今年もとてもいい気分だった。モナコで表彰台に上れたらものすごいだろうね。