マリア・デ・ビロタが、今週末に母国スペインで行われるF1スペインGPに合わせてF1パドックに帰ってくる。
昨年7月、英ダックスフォード飛行場の滑走路で2012年型マルシャの空力テストを行っていたデ・ビロタ。ところが、走行を終えてチームのテントに戻る際、荷の上げ下ろしに使うトラック後部のリフトに衝突、頭部に重傷を負ったのだ。
元F1ドライバーのエミリオ・デ・ビロタを父に持つマリア。右の眼球を失うというショッキングな事故から10ヶ月がたった。
今週末バルセロナで開かれる2013年F1第5戦スペインGPを訪れる予定のデ・ビロタは、スペイン『Europa(エウロパ通信)』へ次のように話している。「ちょっと緊張しているわね」
「事故以来レース会場を訪れるのは初めてだから、最近あまり眠れないの」
「レースの世界に戻れないのはつらいわ。寂しい。でも、せっかく自分の国でF1ドライバー全員に会えるチャンスだし、このところいいレースが続いているから、きっとスペインでも素晴らしい戦いが見られると思う」
「事故以来、会えていない人が多いわね。みんな、私を励まそうとヘルメットに星を飾ってくれたりしたのよ。今まで何もお返しできなかったから、この機会にお礼が言いたいわ」
だが、マルシャのチームクルーとの再会は複雑な感情が伴いそうだ。デ・ビロタはこう打ち明ける。
「いまチームは新しいドライバーと仕事をしているのよね。これも自然の成り行きだと思う」
「前は私がチームの一員だったのに。でも人生は続いて行くのよね」