F1公式タイヤサプライヤーのピレリが、今週末に開催されるF1スペインGP(5月12日決勝)以降、全チームに対して新たに試作品的なハードタイヤ(もっとも硬めのタイヤ)を追加支給することを認めた。
追加支給されるタイヤには、通常のタイヤに施されているような識別のための色づけはせず、フリー走行における走行を増やすために金曜日に各ドライバーに1セットずつ支給される。
ピレリは、メディア向けに出した声明の中で、そのタイヤは「チームが出来る限り長く走行を行うことができるように、耐久性に重点を置いて特別に製造されたコンパウンドとなる」としている。
ピレリのモータースポーツディレクターであるポール・ヘンベリーは、今回の件は「予選やレースに向けてタイヤを温存」する必要性を減らすためのものだと認め、次のように述べた。
「われわれはグランプリの開幕と同時にすべてのチームに可能な限り走行を行おうとする姿勢を持って欲しいと願っていた。とりわけ新人ドライバーにとっても良いことだし、ファンにとっても見どころが増えることになる」
これまでは、新人ドライバーのみに対してタイヤが追加支給されることになるのではないかと言われていたが、実際にはすべてのドライバーが、新しいタイヤで走行することが可能とされている。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』の記者トビアス・グルーナーは、これに関して次のように書いている。
「その(新人ドライバーだけという)案は不採用となった。すでに経験豊かなドライバーしかラインアップしていないトップチームたちからの抵抗にあったためだ」