近い将来、ホンダとトヨタがF1へ復帰するかもしれないとささやかれているが、F1にエンジンを提供するルノーのエンジニア責任者たちは、このうわさに懐疑的なようだ。
ホンダが2015年からマクラーレンのワークスパートナーになり、ザウバーにもV6エンジンを提供する可能性が高いとされているが、ここに来て同じく日本企業のトヨタもF1復帰を果たすのではないかとの新たなうわさがF1バーレーンGP(21日実施)期間中に浮上した。
ホンダとトヨタは、世界的な経済不況のあおりを受け、F1から撤退していたが、2014年から導入されるV6ターボエンジンに興味を示していると言われる。
「トヨタも復帰を考えているのは事実だ」とスイス紙『Blick( ブリック)』のベテラン記者ロジャー・ブノワはバーレーンで話した。
「ウィリアムズを視野に入れており、日本人ドライバー小林可夢偉のF1復帰もあるだろう」と予想する。
一方で、ルノーのF1エンジン部門の責任者であるロブ・ ホワイトは、トヨタのみならずホンダの復帰にも懐疑的のようだ。
「もし、本気で復帰したいと思っているなら、なぜ企画会議に参加しないんだ?」とホワイトは『Speed Week(スピード・ ウィーク)』に述べた。
「この件について、要望を受けたことは今まで一度もない。会議に参加しているのは、いつもフェラーリ、メルセデス、そして私どもだけだ」
「でも、ホンダとトヨタは、その気があるならFIA(国際自動車連盟/ F1の統括団体)から簡単に許可をとり、参加できるはずだ」
V6ターボエンジンの企画会議に参加しているのは、フェラーリ、メルセデス、ルノーの3社だけかと聞かれたホワイトは、「違う」と答えた。
「4年前に最初のプロジェクト会議が開かれた当時、みんなの関心は非常に高かった。アウディ、コスワース、イルモワ、ホンダ、トヨタ、メカクロームなども参加したよ」
「でも、より具体的な話になるにつれ、PURE(ピュア/クレイグ・ポロック率いるエンジンメーカー)だけが残り、いまでは私たち3社だけになった」
「2015年の参入を視野に入れている会社が規則に意見したがらないなんて、私には想像できない」とホワイトは加えた。