昨年までウィリアムズの主要株主であり、取締役でもあったトト・ヴォルフだが、今シーズンからはメルセデスに移籍し、メルセデスAMGの共同オーナー兼取締役という立場で采配をふるっている。だが、ヴォルフは現時点ではまだウィリアムズの株主としての立場も有している。
しかし、もしヴォルフがウィリアムズの株式を手放して株主ではなくなったとしても、ウィリアムズは生き残ることができる、と3月末にウィリアムズの副代表に就任したクレア・ウィリアムズが明言した。クレアは、ウィリアムズの創設者であり、現チーム代表のフランク・ウィリアムズの娘だ。
メルセデスで新たな職位を得たヴォルフは、すでにウィリアムズで仕事はしていないものの、株主の立場を残したままにしておくことはメルセデスでの業務との間に矛盾をきたす可能性がある。ヴォルフは、ウィリアムズの株式を買い取ってくれるところを探すとし、それについては責任を持って行うと発言していた。
ヴォルフは、『Reuters(ロイター通信)』に次のように述べている。
「ただ市場に出向いて、この(ウィリアムズの)株式を買いたい人は? と聞くわけにはいかない。それだけの話だ」
「もし売却するのであれば、十分に責任の果たせる誰かを探す必要がある。このスポーツに参入し、どのようにチームが機能するかを理解し、願わくはスポンサーになってくれるような者をね」
「そして、この条件に合う者を見つけることはそれほど簡単なことではない」
ウィリアムズには時間が味方となってくれるかもしれない。株式の新たな引受者によっては、大きくチームの運営が左右されてしまう可能性もあるからだ。だが、クレアは最終的にどのような形になろうと、チームの経営状況がリスクを抱えるようなことにはならないと主張し、次のように述べた。
「トトは大株主ですし、素晴らしい株主でもあります」
「もし彼が、矛盾があると感じるのであれば、彼の立場における利益のために決断すべきです。私たちはそれを尊重します。また、私たちは今後の成り行きを見守ることになります」
「私たちは商業的な面においてもいい仕事をしています」、とクレアは続けた。
「財政的にも安定していますし、レースを続けるための十分かつ健全な予算もあります。私たちはそのことに文句を言っているのではありませんし、来年はここにいられないかもしれないなどという心配もしていません」
ヴォルフはメルセデスへと移ったものの、その妻であるスージー・ヴォルフは、テストドライバーとして今もウィリアムズに残っている。