メルセデスAMGの首脳であり株主でもあるトト・ヴォルフは、チーム代表のロス・ブラウンが今シーズンでチームを去ることは確実という報道を否定した。
ヴォルフはF1第3戦中国GP前に、ブラウンの将来について疑問を投げかけるような発言をしていた。マクラーレンの元技術責任者であったパディ・ロウをメルセデスAMGに引き抜こうとしていることをブラウンに伝えたと話したのだ。
「ロスは、プロらしい態度で対応し、こう言ったよ。3年にわたって自分は期待されていた結果を出すことができなかった。それゆえ、君が後継者を探すのは当然のことだ、とね」とドイツの『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙が伝えている。
しかし中国GPで、今年マクラーレンから移籍してきたルイス・ハミルトンが移籍後初ポールを獲得すると、形勢はまた変わったようだ。
ヴォルフの言葉を『Speedweek(スピードウィーク)』が伝えている。「ロスがいつも言っているように、パフォーマンスがすべてだ」
「それで成功が計られる」
「メディアはパドック中を走り回ってパディ・ロウが来るぞと言って回っている。確かにチーム首脳について論理的に考えたいと望んでいた」
「現在のところ、うまくいっている」
「ロウに働きかけていても、ロスがチームを去ることにはならない」
最近もう1つ話題になっているうわさは、ヴォルフはしばらく観察と分析をして、余剰人員の解雇を準備しているのではないかというものだ。
「より広い視野で学んでいるところだ。それは3か月では終わらない」とヴォルフは話している。
「だが同時に、クビ切りはあまり得意ではないんだ。“バーレーン後にヴォルフが35人クビにする”なんてうわさがあるが、ばかばかしいよ」
「ブラックリー(メルセデスAMGの本拠地)には、非常に頭のいいスタッフがそろっている。あとは完ぺきに機能する組織が作れるかどうかだ」