日増しに高まるキミ・ライコネン(ロータス)の2014年レッドブル移籍説。来季以降の去就についてノーコメントを貫くライコネンであるが、F1からの引退も選択肢のひとつであることを明らかにした。
F1第2戦マレーシアGP(3月24日実施)で起きた「マルチ21」騒動。これにより、レッドブルのチームメート同士であるマーク・ウェバーとセバスチャン・ベッテルの亀裂が決定的になってしまった。F1関係者の間では、今シーズン末にレッドブルとの契約が切れるウェバーがチームを去るのは、ほぼ決定的だと見られており、これを裏付けるかのように、レッドブルのチームオーナーであるディートリッヒ・マテシッツも先日、2007年のF1世界王者であるライコネンが「クールで速く、常にドライバー候補」と述べている。
数年前に一度F1を離れたライコネンは、レッドブルをスポンサーにラリーに参戦。2012年にロータスから2シーズンぶりとなるF1復帰を果たしている。
レッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコもライコネンが「来年のドライバー候補リストに名前が挙がっている」ことを認め、マテシッツの意見に同調している。
今シーズン末に現行の契約が満了するライコネンであるが、『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙から2014年シーズンをすでに見据えているかと問われると「まだだ」と強調してみせた。
「引退だってあり得るね」
「来シーズンの契約はまだないよ。何も決まってないんだから」
さらに、「いまは目の前のことに集中している」とライコネンは語った。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌のミハエル・シュミット記者は、ウェバーとベッテルはいまも一触即発の状態であるため、ベッテルと仲の良いライコネンをチームメートに迎えることで事態を大幅に改善できると考え、『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙に次のように述べた。
「ベッテルとウェバーの関係が修復されることはまずない」
「ベッテルは謝罪したが、あくまで表向きのパフォーマンスにすぎず、内心ではこの7ポイントがいかに大きいか、分かっている」
「これこそが、F1チャンピオンになれるドライバーと、なれないドライバーの違いなんだ」
「チャンピオンというのは、自分のことしか考えないからね」
ベッテルの元トレーナー、トミー・パルマコスキもこの意見に賛成する。
「第一に、チーム代表の言うことに従う必要がある」
「でもその一方で、セバスチャンの勝利への飽くなき欲望は、コントロールがきかないんだ。だからこそ、プレッシャーをはねのけ、あれだけ多くのレースで勝ってきたのさ」