フェラーリのチーム代表であるステファノ・ドメニカリが、F1マレーシアGPで起こったレッドブルの「マルチ21」の一件には笑ってしまったと語った。
かつては、チームメート間の順位を操作することで、純粋なスポーツ精神を汚すものだとしてファンや評論家の批判の矢面に立たされていたのはフェラーリだった。
だが、3週間前のマレーシアGPでスポットライトを浴びることとなったのは、メルセデスAMGや、とりわけ3年連続でチャンピオンチームとなったレッドブルのほうだった。
「当然、どちらのチームもレース終盤に向けて、彼らの順位を守りたいと思ったんだ。それは完全に合法的なことだよ」
確かに今ではチームオーダーは合法的だ。だが、以前はレッドブルを含むライバルチームたちはしばしば、チームオーダーを強制することをいとわないフェラーリの姿勢に対して批判的な目を向けていた。
だが、今回は批判の矛先は別の方へ向けられた。
ドメニカリは、10日(水)にドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に対し、「以前は、チームとしての利益をもっとも重要だと考えるわれわれの主義に対して批判が向けられていたことを思うと、笑わずにはいられないよ」と語った。
ドメニカリはさらに、マレーシアでの「マルチ21」事件に触れながら、次のように続けた。
「実際に何が起こったのか、そして事前に合意が形成できていたのかどうかは分からない」
「ひとつ言えることは、自分のキャリアにおいて、極めて残念な表彰台のひとつを見てしまったということだ」
だが、ドメニカリは、首脳陣からの指示を無視したセバスチャン・ベッテル(レッドブル)に対する批判は抑え、次のように締めくくっている。
「つまり、セバスチャンは常にクルマの能力を最大限に引き出せるということなんだ。マーク(ウェバー/レッドブル)が常にできるとは限らないやり方でね」