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ビルヌーブ、「マルチ21」騒動と父の事故死を語る

2013年03月30日(土)10:37 am

1997年のF1世界王者ジャック・ビルヌーブは、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)の謝罪がそう簡単に受け入れられていいものか、疑問を感じている。

ベッテルは、F1マレーシアGP決勝(24日実施)で、チームから順位を維持するよう指示が出ていたにもかかわらず、それを無視し、チームメートのマーク・ウェバーを追い抜いて優勝した。怒り心頭のウェバーに対し、ベッテルは繰り返し謝罪しており、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーもベッテルが28日(木)、本拠地ミルトンキーンズにいる全スタッフに対し謝罪したことを明かしている。

「彼は、チームが極めて重要であることを認識しているし、チームの一員であるからこそ、タイトルに挑戦できると理解している」とホーナーは話した。

しかし、思ったことをはっきりと言うことで知られるビルヌーブは、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に「あれこれ言い訳するのは簡単だ」と述べた。

「結局、ベッテルはあのレースで優勝し、ポイントも獲得した。でも、マークは何も手にしていない。これは、ベッテルが意図的に下した判断にほかならない」と言い放ち、25歳にしてF1選手権を3連覇中のベッテルが、不適切な行為を行ったことは明らかだと指摘した。

「チームはドライバーと契約を結び、報酬を支払う。だから、ドライバーにはチームの指示に従う義務がある。いたってシンプルなことさ」

ビルヌーブは、マレーシアGPで起きた一連の出来事を、1982年のF1サン-マリノGPと重ね合わせた。当時、2位走行中のディディエ・ピローニは、チームから「追い抜き禁止」の指示を受けていたにもかかわらず、それを無視。ジャック・ビルヌーブの父でチームメートだったジル・ビルヌーブを最終周でかわし優勝している。

「チームオーダー無視は、純粋に間違っている。1番いい例が僕の父とディディエ・ピローニだ。あれが引き金となって起きてしまった問題を見てごらんよ」

現に、ジル・ビルヌーブは2週間後、ゾルダー・サーキットで行われたF1ベルギーGP予選で非業の事故死を遂げることとなる。これは、ピローニの行為に対する怒りが収まらないジルが、ピローニのタイムを上回ろうとアタックした結果、招いた事故だったと言われている。

パドックでは、今回の出来事によってレッドブルのチームメート間に亀裂が深まったという見解で一致している。

元F1ドライバーのミカ・サロも、「ウェバーとベッテルは、どうにかして残りのシーズンを乗り切るしかないだろう」とフィンランドのテレビ局『MTV3』に語った。

「来季に向けて、レッドブルはウェバーの後任ドライバー探しをするだろう」と付け加えている。

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