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メルセデスAMG、チーム内でわき起こるチームオーダーへの批判

2013年03月26日(火)9:38 am

F1マレーシアGP決勝でニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)を表彰台から遠ざけたチームオーダーに対する批判が、メルセデスAMG内でも出始めている。

ドイツ人ドライバーのロズベルグは、マレーシアGP決勝で今シーズンからメルセデスAMGに加入したイギリス人ドライバー、ルイス・ハミルトンの後ろを走行していた。しかし、3番手を走行中だったハミルトンは、燃料を節約しながらの走行を強いられていたため、ペースを上げられずアクセルを緩めていた。ロズベルグは、追い抜かせてほしいと無線を通じチームに何度も打診したが、チーム代表のロス・ブラウンの答えは「ダメだ」の一点張りだった。

チームオーダーに従い、4位でレースを終えたロズベルグは、ブラウンに無線で「このことを忘れないでくれ」と伝えた。一方で、3位で表彰台に上がったハミルトンも表情はさえず、インタビューでも気まずい心情を打ち明けていた。

今季から新たにメルセデスAMGの首脳に加わったニキ・ラウダとトト・ヴォルフに至っては、今回のチームの決断に不快感をあらわにした。ラウダはドイツのテレビ局『RTL』に「スポーツの観点から、あれは間違いだった」と言い放ち、「ロズベルグを前に行かせるべきだった」と述べた。

さらに、「今後もあの戦略をとるつもりなら、ロスと話す必要がある」とラウダは付け加えている。

ヴォルフもこれに同調しており、「スポーツという点からすると、あれは私たちが見たいものではない」と話した。

ラウダとヴォルフの新オーストリア人コンビに加え、メルセデスAMG入りが濃厚のパディ・ロウ(元マクラーレン/テクニカル・ディレクター)の存在によって、チーム代表の座が危ういとうわさされるブラウンは、ロズベルグの燃料も残りわずかだったことを引き合いに「チームオーダー」を正当化したと考えられている。

しかし、ロズベルグはこれに真っ向から反対してみせた。

「僕は、燃料を節約する必要なんてなかった。すべて大丈夫だった」

「あれが本当に正しい判断だったのか、ロスとじっくり再考するつもりさ」

タイヤの状態も良く、燃料も十分に残っていたため、前のレッドブル2台を追えたかもしれないというのがロズベルグの主張だ。

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト )』によれば、1996年のF1世界王者デイモン・ヒルもロズベルグの考えに賛成のようで、「少なくともレッドブルをあわてさせ、タイヤの問題に追いやったかもしれない」と語った。

ロズベルグも、「レッドブルに追いつけたかどうかは分からない。でも、あのとき、僕の調子は良かったから、どこまで追い上げられるか、試してみたかった」と語っている。

無線で怒りをあらわにした理由については、「チームに指示を考え直して欲しかったからだ」とロズベルグは説明した。

また、「この一件は、ルイス・ハミルトンが明らかにメルセデスAMGのナンバー1ドライバーであることを物語っている」と主張するレッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコの意見を次のように否定した。

「今回の件がそのような印象をもたらすことは理解できる。でも、もし僕がルイスの前を走っていたとしても、チームは間違いなく同じ決断を下しただろう」

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