ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグは、先週末のオーストラリアGPで燃料タンクの問題のため決勝に出走できなかった。マシンの問題はあまりにも深刻だったため、今週末のマレーシアGPでは全くの新車に乗り込んでいるほどだ。
しかし、ヒュルケンベルグがオーストラリアで出走できる手立てが実はあったのだという。
ルーキーであるチームメートのエステバン・グティエレスと、ヒュルケンベルグのマシンを取り替えることもできたという。ヒュルケンベルグは予選11番手だったが、グティエレスは18番手だった。
グティエレスが乗っていたトラブルのないクルマにヒュルケンベルグを乗せ、グティエレスよりも良い結果を狙う、といった具合だ。
しかし、ザウバーはその方法をとらず、グティエレスがポイント圏外で完走した。
『Blick(ブリック)』のベテラン記者、ロジャー・ブノワは、「ザウバーはポイントをみすみす逃したのか?」と問いている。
「ザウバーは金曜日、FIA(国際自動車連盟)がドライバー変更を許可しただろうと認識している事を認めた」
だが、ヒュルケンベルグがグティエレスのマシンで出走した場合は、ピットレーンからのスタートになったはずだ。
チーム代表のモニシャ・カルテンボーンは「ドライバーの変更は選択肢になかった」と断言している。
しかし、ドイツ誌『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』の記者ミハエル・シュミットは、「こんな時、レッドブルやフェラーリならどうしただろう? もしタイトルがかかっていたとしたら? マーク・ウェバー(レッドブル)やフェリペ・マッサ(フェラーリ)が自分のマシンを譲っただろうか?」と、興味深い疑問を呈している。