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F1第2戦マレーシアGPの見どころ

2013年03月21日(木)11:28 am

いよいよ開幕した2013年のF1。昨年に続き今年も開幕から2週連続の開催となり、早くも第2戦マレーシアGPが行われる。

・開催サーキット
マレーシアGPが開催されるのは、マレーシアの首都クアラルンプールにあるセパン・インターナショナル・サーキット。開幕戦オーストラリアGPが行われたアルバート・パーク・サーキットとは異なり、低速から高速までさまざまなコーナーがそろっていることから、クルマ本来の実力が分かるサーキットとも言われる。そのため、今季の勢力図がより明確に見えてくることになる。

セパンは、追い抜きが比較的多いサーキットとしても知られている。最も追い抜きのチャンスが高いのは、最終コーナーのヘアピン。また、2つのヘアピンが続く1コーナーから2コーナーにかけても追い抜きのチャンスがある。そして、直角の右コーナーである4コーナーも追い抜きのチャンスになる。

セパンに持ち込まれるドライタイヤのコンパウンドは、最も硬いハードと、それより1段階軟らかいミディアム。高温のセパンに合わせ、耐久性に優れる硬めのタイヤが選択された。決勝では、雨用タイヤを使用しない限り、この両方を少なくとも1回ずつ使用しなければならない。ミディアムはタイヤ側面のロゴが白、ハードはロゴがオレンジになっているため、ロゴの色を見れば、どちらのタイヤを装着しているのか見分けられる。

・熱帯の暑さが与える影響は?

マレーシアは赤道に近いことから、暑さが大きな問題になる。開幕前に各チームがテストを行っていたのはスペイン。ヨーロッパの中では温暖な気候だが、熱帯の暑さは比べ物にならない。ドライバーが暑さと格闘するだけではなく、クルマも強烈な暑さにさらされるため、冷却系統などに問題が起こることも予想される。

その中で、最も大きな影響が出ると見られているのはタイヤ。タイヤサプライヤーのピレリは、路面温度が50℃に達すると予想しており、晴れた場合はタイヤへの負担が非常に大きくなる。開幕戦オーストラリアGPでは、タイヤの使い方による戦略の違いが勝敗を分けたが、今回もタイヤの使い方が重要になるだろう。

タイヤのほかにも、F1マシンにはエンジンやギアボックス、電子機器、油圧系統など、熱による影響を受けるパーツが多い。そのため、こういったパーツをうまく冷却することが重要になる。また、コックピット内の温度は50℃を超えることもあると言われており、ドライバーにとっては1年の中で最も体力的に厳しいコースとされる。

・注目チーム

開幕戦では、決勝で安定した速さを見せ、タイヤをうまく使ってライバルよりもタイヤ交換を1回減らしたキミ・ライコネン(ロータス)が優勝した。気温などコンディションが違うマレーシアでも、ロータスが同じような速さを見せられるのか注目だ。

ライコネンは決勝ペースが安定して速かった一方、予選での速さに欠けていた。これに対し、レッドブル勢は予選で圧倒的な速さを見せ、予選終了時点では今年のF1はレッドブルが圧倒するのではとの意見もあった。結局、レッドブル勢はタイヤへの負担が大きすぎたために決勝で後退したが、レッドブル勢にはクルマのデータをチーム側へ送信するテレメトリーに不具合があったことも分かっている。テレメトリーの問題が解決することでレッドブルが決勝でも速さを見せるのか目を離せない。

ロータスやレッドブルとは違い、予選と決勝で一貫して競争力を発揮していたのがフェラーリ勢。フェルナンド・アロンソとフェリペ・マッサがともに速さを見せ、決勝ではアロンソがライコネンと優勝を争った。マレーシアでもフェラーリ勢が優勝争いに絡んでくることは十分に考えられる。そして、開幕戦でルイス・ハミルトンを予選3番手に送り込んだメルセデスAMGも注目しておくべきだろう。

・最終的にカギを握るのは?

クルマの速さは当然重要な要素になるが、それだけでは勝てないのがマレーシアGP。熱帯にあるマレーシアだけに、大雨が毎年話題になる。2009年には、レース中に豪雨が降り始めて中断となり、そのままレースが終了していたほどだ。しかも、マレーシアGPの予選と決勝が始まるのは現地時間の16時(日本時間17時)。ちょうどマレーシアで雨が降りやすい時間帯である。

マレーシアでは、雨が降り始めると急激に雨脚が強くなる。そのため、レース中に雨が降り始めた場合、雨用タイヤへの交換が1周遅れただけで取り返しのつかない後れを取ることになる。その一方、雨を警戒するあまりに雨用タイヤへの交換が早すぎた場合、水量の少ない路面で雨用タイヤがオーバーヒートし、タイヤを壊す結果になってしまう。

雨がやみ、路面が乾き始めたときにもタイヤ交換のタイミングを誤るだけで大きな差がつくため、マレーシアでは天候変化への対応が非常に重要な要素となり、これによって勝負が決まってしまう可能性もある。天候の変化を冷静に見極め、適切なタイヤを適切なタイミングで装着することが勝利へのカギになるだろう。

2013年F1第2戦マレーシアGPは、22日(金)現地時間10時(日本時間11時)に開幕。天候も気になる決勝は、24日(日)現地時間16時(日本時間17時)にスタートする。

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