2月に行われたF1公式シーズン前テストにおいて、フェラーリのフェルナンド・アロンソはそれほど目立つ走りを示すことができずに終わったが、F1関係者の中には、2013年はフェラーリにとってアロンソに最高のクルマを提供する最後のチャンスとなるだろうと考えている者もいるようだ。
そのうちのひとりが元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーだ。ベルガーは『Tiroler Tageszeitung(チロラー・ターゲスツァイトゥング)』紙に、「もし、すぐにいいクルマを得ることができなければ、アロンソのやる気は失せてしまうと確信しているよ」と語っている。
イタリアの影響力の大きいメディアとして知られる『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』から、昨シーズンをランキング2位で終えたアロンソが、シーズン前テストの間、ほとんど「人目を忍ぶ」ような状況だったと指摘されたフェラーリ会長のルカ・ディ・モンテゼモーロは、次のように答えた。
「私はそんなふうには思わないね」
「だが、最初のテストに際してのアロンソの不安には理解できる。彼はF138(フェラーリの2013年型車)の可能性を理解しなくてはならなくて、話をしたがらなかったんだ」
「ほぼ毎日話をしていたよ。彼は落ち着いているし、自信も持っている」と、モンテゼモーロは付け加えた。
かつてルノーF1のチーム代表でもあったフラビオ・ブリアトーレも、かつて2度F1チャンピオンに輝いたアロンソが、シーズン前テストでは不調であったことを認めつつ、次のように語っている。
「アロンソは、まずはレースをしたいんだ。(2013年の)フェラーリにどれだけの力があるのかを確かめるためにね。外部から見たとき、彼が緊張して不安そうにみえるのはそのせいだよ」
「アロンソはテストでの結果に満足しているよ。だが、ほかのチームの力が実際にどうなのかということは分からないからね」
「フェルナンドは、レッドブルとの差が縮まっていることを期待している。もし彼がほかのドライバーたちと同等のスタートが切れれば、間違いなくF1タイトルを勝ち取るだろう」
たとえ勝利したにしろ、そうでなかったにしろ、アロンソが契約を「守る」だろうことをモンテゼモーロは確信している。現在のアロンソとフェラーリの契約は2015年のシーズン終了時に満了となる予定だ。