スポンサーが約束された資金をチーム側に支払わなかったため、F1デビュー目前でマルシャのシートを失ったルイス・ラジア。代わりにシートを獲得したジュール・ビアンキも豊富な資金を背景にシートを獲得したはずだとラジアは語った。
「そうでなければおかしいよね。もしそれ(スポンサー資金)が問題じゃなければ、今ごろは僕がクルマに乗っているよ」
そのマルシャに関しては、ビアンキの加入によって新たな希望の光が差し込んでくることになるかもしれない。
F1の下位カテゴリーであるGP2やフォーミュラ・ルノーで十分な実績を持つフランス人ドライバーのビアンキだが、同時にフェラーリのドライバー育成プログラムの一員としてフェラーリからの後ろ盾もある。
マルシャは現在コスワースエンジンを搭載しているが、コスワースはV6ターボエンジンが導入される2014年にはF1から撤退することが濃厚だと考えられおり、マルシャとしても新たなエンジン供給メーカーを探す必要に迫られている。今回のビアンキの加入は、マルシャのフェラーリエンジン導入にとっても有利に働きそうだ。
「もし2014年にマルシャがフェラーリ製エンジンとトランスミッションで戦っていたとしても驚く必要はない」とブラジル人記者リビオ・オリッキオは書いた。
また、先日エイドリアン・スーティルのフォース・インディア復帰が正式に発表されたが、これについてもエンジンとのからみがあるだろうと見られている。
「スーティルが、現在メルセデス・ベンツのモータースポーツ責任者であり、経営者でもあるトト・ヴォルフと以前から親交があったことが分かった」とオリッキオは述べ、次のように締めくくっている。
「これで、なぜビジェイ・マリヤ(フォース・インディア会長兼代表)がビアンキでなくスーティルを選んだのか説明がつく」