ベテランF1記者トニー・ドジンスは、スイスの『Speedweek(スピードウィーク)』誌に対し、ルイス・ハミルトンがマクラーレンからメルセデスAMGへ移籍したのは、より多くの金銭収入を見込めるとハミルトンのマネジメント会社が考えたためだとする持論を展開した。
「ふたつのチームを比較したとき、ルイスが競技面の理由からマクラーレンを去ったのではないと誰もが気付くはずだ」
「わたしは、ルイスのマネジメントが強く働きかけたからだと考えている」とドジンスは加えた。
ここでハミルトンのマネジメントとしてドジンスが言及している人物は、アメリカで人気のテレビ番組『アメリカンアイドル』など、数多く手がけるサイモン・フラーのことである。以前、ハミルトンの父アンソニーがハミルトンのマネジメントを務めていたが、ふたりがコンビを解消してからはフラーのマネジメント会社19エンターテインメントが手がけている。
「フラーは言うまでもなく大きな成功を収めている有能なマネジャーだ。しかし、彼はレーサーではない。このスポーツに関心があるのかさえ確かではない」とドジンスは指摘する。
「彼は異様なほど金に目がない」と述べ、手がけたクライアントたちからばく大な富を手中に収めてきたフラーの手法に触れた。
「フラーはハミルトンにメルセデス行きを強く勧めた。理由は簡単さ。マクラーレンにいるより稼げるからだよ」