ザウバーのチーム代表であるモニシャ・カルテンボーンが、3年間在籍した小林可夢偉について語った。ネットで資金を集めたものの、F1シートを獲得できなかった可夢偉。日本企業がスポンサーにならなかったことをカルテンボーンは驚いている。
Q:小林可夢偉は今年、ザウバーのシートをルーキーのエステバン・グティエレスに譲りました。可夢偉は支援を得るためにネット上でのキャンペーンを展開するなど非常に工夫をしていました。過去最高の日本人F1ドライバーである可夢偉がスポンサーを見つけることができなかったことには驚きましたか?
カルテンボーン:ええ、それには驚きました。可夢偉が私たちの一員となったときにはスポンサーはついていませんでした。全然なかったんです。でも、私たちは彼の才能を確信していましたし、それは私たちにとっても正しい方向性でした。私たちとともに何度か素晴らしいパフォーマンスを示してくれましたし、彼の鈴鹿での表彰台はとても感動的な出来事でした。彼は私がそれまで見たこともなかったような形で観衆全員を感動させたんです。
カルテンボーン:彼は素晴らしいチームプレイヤーです。チーム精神を強く発揮してくれました。ですから、彼のような感じのいい人が、日本のようなモータースポーツを愛する国からまったく支援を受けられなかったときには驚きでした。このことは、私たちが何かを変える必要があるのだという、ある種の警告かもしれません。自分の国でレースが行われ、地元出身のヒーローがいることは、そこでF1が成功をおさめることに役立ちます。ですが、ひとつはっきりさせておきたいのは、私たちは可夢偉に対して、2013年に向けて何の約束もしていなかったということです。